楽天がチーム一丸で交流戦最下位タイ転落を阻止した。

浅村栄斗内野手(31)が0-0の延長10回1死二塁で、広島松本から中越えにサヨナラ二塁打を放った。投手陣は、先発の辛島航投手(31)が6回2安打無失点の後、リリーフ陣が0でつないだ。負ければ、日本ハム、広島と並んで交流戦最下位だったが、苦しい展開のゲームをものにした。9日も勝って、4カードぶり勝ち越しを狙う。

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ヒーローインタビューの第一声が、浅村の思いの全てだった。「本当にピッチャーが頑張っている中で点を取ってあげられなかった。最後なんとか、いい形で打てて良かった」と安堵(あんど)した。

5投手が無失点でつないでくれた。迎えた10回の攻撃。先頭の西川が四球を選び、小深田が送り、お膳立て。浅村は、それまで3三振だったが「悪い打席は、そんなになかった。三振も、他のアウトも一緒というぐらい勝負かけてるんで」と意に介さなかった。初見の広島松本に対し、積極的に振って前進守備の外野の頭を越えた。梅雨入り前で冷え込む仙台。二塁を回ってから仲間に水浸しにされ「最悪でした」。気持ちは最高だった。

5月に入り一時は絶不調に陥ったが、準備だけは欠かさない。「その日、その日によって体のバランスが違う。しっかり整えてからスイングしようと思って、今年はやっています」。この日も全体練習が始まる前に早めにグラウンドへ。ティー打撃でポイントの確認を繰り返した。不断の努力が投手陣に報いるサヨナラ打を生んだ。石井GM兼監督も「まず最初にピッチャーがよく頑張ってくれた。(失点が)0点なら負けない」とねぎらった。

9日に4カードぶりの勝ち越しをかける。ソフトバンク次第でリーグ首位返り咲きもある。開幕当初と比べ苦しい日々が続くが、浅村は「自分たちの力を全然出せてないですけど、まだまだシーズンこれから。また今日みたいな試合をできればいい」。みんな、そう思っている。【古川真弥】

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