村上らしい逆方向への1発だった。同点の4回無死、ソフトバンクのエース千賀に対し、カウント3-1からの5球目、内角低め157キロ直球をしっかり捉えて左翼席へ運んだ。4日西武戦(神宮)以来、5試合ぶりの1発。熊本出身の主砲が「コンパクトに打つことが出来ました。九州の空気は今年もおいしいです」と福岡での快音を喜んだ。

8日オリックス戦(京セラドーム大阪)では、決勝打を含む3安打1打点でチームを勝利に導いたばかり。好調チームの雰囲気について「すごくいい雰囲気でできてますし、昨日(7日)負けてまた気持ちが引き締まったというか、またやるぞという気持ちにチーム全員なったと思うので、勝ちに貪欲に勝ちにこだわっていると思います」と手応えを感じている。

ここまで長岡とともに全試合先発出場を続ける。ベンチでは自身より若い、20歳長岡や19歳内山壮の活躍を大いに喜び、グラウンドに立てば、マウンドの先輩投手にも積極的な声かけ。中心選手として、バットでも言動でもチームを引っ張る。

また巨人岡本和と本塁打王を争う村上だが、ここまで17本塁打の内訳は、右に5本、中5本、左7本と、中堅から逆方向に12本で、70・6%を締める。昨季は39本塁打のうち、中堅から左へは17発。43・6%も十分多い数字だが、今季はその傾向が顕著となっている。高卒5年目、文字通り「広角に打てるアーチスト」が、さらなる進化を遂げている。

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