阪神伊藤将司投手(26)が、6回途中2失点(自責1)と粘投した。今季初の中5日での先発。勝ち負けはつかなかったが、先発としてゲームメーク。左腕は「何とか最少失点でリリーフ陣にバトンを渡したかったが、粘り切れずに2点目を与えてしまったことが悔しい」と反省しつつ、「変化球をうまく使いながら、リズムよく丁寧に投げることができた点については良かった」と収穫も口にした。

不運な立ち上がりとなった。初回、先頭福田の左翼への飛球にダッシュで前進してきた島田が落球し、走者は二塁へ。1死三塁から中川圭に中前適時打を許し、あっさり先制点を奪われた。5回は1死三塁から宗に右前への適時打で2点目を失った。6回先頭のT-岡田を空振り三振に斬ったところで降板した。

前日10日には、今オフに合同自主トレを行ったオリックス能見と再会し、あいさつを交わした。フォークや真っすぐの大切さなどを伝授され、「能見さんの前で投げられるので、しっかりその成果を出せるように投げていきたい」と話していた。快投とはいかなかったものの、成長した姿を示した。

敗戦ムードが漂っていた中、2点を追う8回に佐藤輝が適時三塁打を放ち、さらに捕逸の間に同点の本塁を踏んだ。同期入団の主砲が黒星を消し去ってくれ、ベンチでは何度もハグをして感謝した。次戦こそゼロ封の快投で、チームを勝利に導いてみせる。【古財稜明】

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