阪神ドラフト1位森木大智投手(19)が、母校・高知高に約70万円のトラッキングシステム「ラプソード」を寄贈していたことが、27日までに分かった。後輩たちの春夏連続甲子園出場を願う右腕は、7月1日に2軍オリックス戦で聖地デビュー予定。この日は岡留英貴投手(22)、藤田健斗捕手(20)、遠藤成内野手(20)、高寺望夢内野手(19)とともに「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2022」(7月23日・長崎)のウエスタン・リーグ選抜に選出されたことが発表された。また、平田勝男2軍監督(62)が、ウエスタン・リーグ選抜の指揮官を務める。

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森木は母校への感謝を忘れていなかった。高知高への恩返しとして考え抜いて選んだラプソードは、球の弾道や回転数を分析できる優れもの。トレーニング好きで、後輩思いな森木らしい選択だった。

「自分も使ってきましたし、後輩たちにもいろいろ分析して知ってほしい。高知高の後輩にずっとつないでいってほしいですね」

自身も昨年5月に初めてレクチャーを受け、使い始めた。「『ボールの質を高めたい』って言うけど、質ってなんなんだろうって。人それぞれの価値観だったことが、データで自分の特長を探すことができる」。数値を参考にしながら感覚とすり合わせ、フォーム改善に役立ててきた。鳴尾浜のブルペンでも定期的にチェックする日々だ。

寄贈したのは投球を分析する「ラプソードピッチング」。これまではチームトレーナーのものをレンタル使用していたが、約70万円のプレゼントで部に貴重なアイテムが増えた。5月上旬には届き、有効活用中。野球部の浜口監督は「あるとないでは違います。ありがたい」と感謝する。森木も願う春夏連続甲子園出場へ、投手力強化の手助けになっているはずだ。

もちろん、森木自身が活躍する姿を届けることが何よりの恩返しになる。ウエスタン・リーグでは主に先発で7試合に登板し1勝2敗、防御率5.84。自己最速を更新する155キロをマークするなど経験を積んでいる。フレッシュ球宴への出場も決まり「このような機会をいただけたことに感謝したいです。他の球団の選手との関わりもあまりなかったので、いろんな選手から何かを吸収しながら、ファンの皆様にも楽しんでいただけるような試合ができるように僕も楽しみたいと思います!」と決意を新たにした。高知高にも、森木にとっても勝負の夏がやって来る。【中野椋】

◆Rapsodo(ラプソード) 球速や回転数、回転軸、縦横の変化量などを数値として見ることができる。計測データはiPad(アイパッド)端末で即時確認可能。持ち運びができコンパクトなことが利点。プロ野球複数球団も導入し、全国の高校約100校でも取り入れられている。

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