さあ、記録ウイークや! 阪神近本光司外野手(27)が球団記録の30試合連続安打に挑戦する。5日広島戦(甲子園)で打てば11年マートンに並ぶ。「記録に対する意識は全然ない。この試合でどうやって打つかとしか考えていない」。3番打者として記録よりも勝利が何よりも優先。今季9敗2分けとまだ1度も勝てていない3位広島を倒すために打つだけだ。

今季広島戦では打率3割4分(50打数17安打)と対セ5球団の中で2位の高打率を残す。5日先発の左腕床田には今季3試合で10打数2安打だが、矢野監督は「1日1本打つのがどれだけ大変か。自分の中で記録も意識しながら打席に立っているわけだから。その中で続けるのは力がある証し。どんどんチャレンジすればいい」と期待した。

近本も「記録、記録って言われてから、ちょっと打つタイミングを変えたりしてますけど…。打つのは大変です」と意識せずとも重圧はある。それでも「支えてもらっている人たちに感謝の思いで返していけたらいいなと思っている」と、周囲の思いに応えたい気持ちは強い。順調に安打を重ねれば8日ヤクルト戦(神宮)で79年高橋慶彦(広島)の日本記録「33」に並ぶ。今週は記録ウイークとなりそうだ。

今季100安打も残り1本に迫る。入団以来4年連続100安打以上は球団では後藤次男、吉田義男に続き3人目。8年連続で続けた吉田の4年目は56年。それ以来66年ぶりの快挙だ。「毎試合打ちたいというのは1年目から思っている」。18年ドラフト1位で大阪ガスから入団。即戦力の期待通りルーキーからレギュラーを守り続けている勲章といえる。今週も近本のバットから目が離せない。【石橋隆雄】

〇…阪神近本は広島に新加入した秋山との対面を楽しみにした。現在2軍で調整中のため、5日からの甲子園での3連戦には同行しないが「早く話がしたいですね。セ・リーグに来ていただけたことは、僕はいい財産になるかなと思います」と、再会を待つ。早ければ次の18日からのマツダスタジアムでの3連戦となりそうだ。新人だった19年の球宴では西武時代の秋山から「フェンス際の美学」の守りを学んでいる。

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