日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が、攻守両面で勝敗を分けるキープレーヤーになった。1点を追う4回2死一、二塁で右前へ同点適時打。だが5回の守備では落下地点に入っていた邪飛を捕ることができず、直後に上原が逆転2ランを浴びた。チームは1分けを挟んで、今季2度目の7連敗。今季最長の8試合連続白星なしとなった。

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喜びもつかの間、悔いの残るプレーで試合の流れが一変した。4回2死走者なしから3連打で1点差に迫り、なお一、二塁の好機。火が付いた打線の勢いに押されるように、清宮も出場10試合ぶりの安打を右前に転がした。33打席ぶりに灯った「H」ランプが、貴重な同点打。直後には相手守備の乱れもあり、1点を勝ち越した。

だが握ったはずの試合の主導権は、自ら手放した。落とし穴が待っていたのは5回の守備。2死三塁で、一塁ファウルゾーンへふわりと上がった飛球を、清宮は落下地点をやや通り過ぎる形で捕球が出来ず。直後に上原が逆転2ランを浴びた。試合後、「今日は守備ですごい迷惑をかけたので(適時打のことは)あんま、どうでもいいです」と落胆した。

終わってみれば、チーム全体で3失策。この日は右翼から左翼方向へ、やや強い風が吹いていたが、屋外の地方球場を言い訳には出来ない。「エラーが多い」と嘆いた新庄監督は「こういうグラウンドは難しいんですけど、こういうグラウンドでいいプレーをやっていける選手に育って欲しい」。ファウルボールを捕り損ねた清宮には「(スコアボードの)旗を見たら、分かるでしょ。小っちゃい頃から外で(野球を)やっているわけだし、プロに入ったから難しくなったという風でもないし…。センスです」と、厳しさを見せた。

チームは今季最長の8戦連続白星なし。1点差ゲームに選手の成長を認めているBIGBOSSだが「惜しいじゃいけないけど、惜しいね」と、勝てない悔しさをにじませた。【中島宙恵】

○…上原が2試合連続で5回をもたずにKOされた。味方が勝ち越した直後の5回、2ランを含む3失点で逆転された。4回2/3を投げ8安打5失点(自責3)で、前回17日楽天戦に続く5敗目。「後悔しかありません。チームの力になれず、申し訳ない気持ちです」と振り返った。

○…近藤が土壇場で1発を放つも、反撃及ばなかった。2点を追う9回の先頭、左越え6号ソロも後続が続かず。4回の守備では、自身も飛球の目測を誤り、捕球ミスから失点につながった。「今日は野手全体でピッチャーの足を引っ張った。チームが勝たないと意味ないので、そういうところで貢献する一打が大事になってくる」と話した。

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