青学大は主力選手が突然の発熱のトラブルにも、投打がかみ合い日大に先勝した。

ゲームセットの瞬間、先発の下村海翔投手(4年=九州国際大付)は安藤寧則監督(45)に歩み寄り「神宮球場で初めて勝ちました」と笑顔で報告した。

急な先発にも、動じなかった。当初先発予定の常広羽也投手(4年=大分舞鶴)が発熱。急きょ、先発を告げられた下村は「(日程変更で)次戦は来週。僕はしばらく先発できないと思っていた。正直、ラッキー。ヨッシャーと思っていました」と、チームのピンチをプラスに変えた。

初回から力強い直球と、キレのいいスライダーを軸にテンポ良く投げ込み4回までに無安打投球。7回に右足が少しつり、バランスを崩し降板するも、3安打9奪三振で1失点。この日の最速は、自己最速に1キロに迫る152キロだった。

最速153キロ右腕・常広がドラフト候補として注目を集める中、下村も「プロ野球選手になる」という小さいころからの夢を追い続けている。「常広の投球を見て、負けられないと思って練習してきた」と、常に意識する存在。切磋琢磨(せっさたくま)して成長してきた。視察したヤクルト小川GMは「ストライクも取れるし制球も安定している。変化球の球種も多い。制球力が1番の魅力。カット、スライダーを有効に使えている」と高評価した。

今や、常広とともに、ダブルエースとして、チームを支える。下村は「投げる試合は全部勝ちたい」と、力を込めた。