巨人が驚愕(きょうがく)の“単打のマーチ”で好調ロッテに打ち勝った。

「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦で同点の3回、助っ人ヘルナンデスからオール単打の9者連続安打で連なった。伝説の大逆転Vを飾った「メークドラマ」の96年以来の球団タイ記録をマーク。終盤まで攻撃の手を緩めず、23安打18得点で圧勝した。ロッテを交流戦首位から引きずり下ろし、ソフトバンク、楽天と並び首位タイに浮上した。

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巨人の歴史的連打が1万192日ぶりに復活した。同点に追いつかれた3回、先頭のヘルナンデスの左前打が号砲になった。吉川、岡本和、坂本、立岡、岸田、泉口、山崎伊、丸がオール単打で連なった。

9者連続安打は96年7月9日広島戦以来となる球団タイ記録。当時は後藤、村田真、斎藤雅、仁志、川相、松井、落合、マック、清水で連打をマーク。同年の首位と最大11・5ゲーム差からのリーグ優勝は「メークドラマ」として語り継がれている。

「新風」をチームスローガンに掲げる阿部野球はドラマチックよりも現実主義を貫く。犠打、進塁打を多用し、自己犠牲の精神を前面に押し出したチームプレーを浸透させてきた。追い込まれればバットを短く持ち、食らいつく。大味よりも堅実な野球をもう1度、見つめなおしてきた。

12球団最少得点だったが、交流戦に入ってからは潮目が変化しつつある。開幕カードのソフトバンク戦では5点差からの逆転勝利。前カードの西武3連戦は計14得点で2カード連続の勝ち越しを決めた。「相手もガンガン振ってくる。こっちも積極的にブリブリ振っていこう」。スコアラーからの進言もあり、5月29日ソフトバンク戦前のミーティングで指揮官がチーム全体に呼びかけた。

この日は今季最多安打&最多得点と打線が開眼した。「年に何回あるか分からないくらいの集中力を見せてくれた。すごかったですね。みんながつなごうという意識が出た結果だと思います」と大きくうなずいた。同時に「状態はみんな上がってきてると思う。やればできる。けど、これがずっと続くってわけでもない。明日はまた僅差のゲームだと思ってやってほしいな」と手綱を締めた。

やみくもなマン振りと積極性の相違はもはや説明する必要はない。3回の連打は、09年ヤクルト以来のオール単打での9者連続安打。さらに、1死後にも吉川、岡本和、坂本の四球をはさんで立岡の“おかわり単打”で、セ・リーグタイ記録の1イニング12安打で一挙11得点。強烈な新風でロッテを首位の座から吹き飛ばした。【為田聡史】

▼巨人が3回に9者連続を含む12安打を放って11点を挙げた。四死球や犠打を挟まない連続安打の記録は10年ロッテとオリックスの10者連続で、9者以上は11度目。セ・リーグで9者連続安打は6度目のタイ記録となり、巨人では96年7月9日広島戦以来2度目。また、1イニングの安打記録は92年西武の13本で、12本以上は5度目。セ・リーグでは69年5月27日阪神以来2度目のタイ記録で、巨人は過去3度あった10本を上回る球団新記録。3回に記録した巨人の安打はすべて単打。長打なしの9者連続単打は09年6月14日ヤクルトに次いで2度目。1イニングに単打12本は09年6月11日ロッテの11本を上回りプロ野球最多となった。

▽巨人岡本和(3回無死一、二塁で左前適時打、さらに1死満塁で左前適時打)「どんな形でもヒットが出て、素直にうれしいです。いい流れに乗れ、ヒットにつながったと思います」

▽巨人立岡(3回無死満塁で中前適時打、さらに1死満塁で左前2点適時打)「つなぐことを意識していました。ヒットになって良かったです」

▽巨人岸田(3回無死満塁右前適時打)「良い流れでまわってきたので、僕も続きたいと思っていました。うれしいです」

▽巨人泉口(3回無死満塁で右前適時打)「みんなの流れに乗りたい気持ちでのぞみました。次につなげられて良かったです」

▽巨人丸(3回無死満塁で左前2点適時打)「良い流れで打席に立つことができ、タイムリーにつながりました。良かったです」

▽巨人川相内野守備コーチ(96年7月9日広島戦にスタメン出場し、満塁本塁打をマーク)「連打が続くな~っと思って見ていました。まさか96年の連打記録に並ぶとは。当時の満塁本塁打を思い出しましたよ。連打、連打~(リンダ、リンダ~)」

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