伝統の一戦を制した巨人が、混セを頭半分抜け出した。
先発した山崎伊織投手(25)が、阪神打線を7回8安打1失点と粘りながら封じ込め、前半戦ラスト登板を勝利で飾った。4番岡本和の先制&決勝打を含む初回の2点を守り切り、ともに兵庫県出身で同学年の阪神才木との投げ合いを制し今季7勝目。チームは3試合ぶりの勝利で前半戦勝ち越しターンを決め、1・5ゲーム差以内に4チームがひしめく順位争いで2位DeNAと0・5差に広げた。
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大胆不敵に投げ込んだ。山崎伊は6回、先頭の大山を空振り三振に打ち取ると、次打者前川への初球、86キロの超遅球カーブで意表を突いた。内外、上下も極端に使い分け、最後はバットをへし折り二ゴロに打ち取った。尻上がりに状態を取り戻した3巡目、右腕を信じて緩急も織り交ぜた。1点リードを守り切って7回8安打1失点と、阪神打線を封じ7勝目を挙げ「粘って7回まで投げられた」と胸をなで下ろした。
初回こそ3者凡退のスタートを切り、2点の援護をもらいながら直後に1点失った。直球の制球がままならない。実松バッテリーコーチから「試合の中でどうにか修正してみて」と言われ、岸田によるスライダー中心の好リードのもと、徐々に本来の投球を取り戻した。5回2死一、二塁のピンチでは、5番大山との勝負と思いきや、初球を投げる前に二塁けん制で二走・野口をタッチアウト。自ら招いたピンチの芽は、自らつんだ。
慎重でありながらも、大胆に。ユニホームを脱いでも、そのスタイルは変わらない。交流戦で投げた仙台での楽天戦。キャップを深めにかぶって、1人牛タンのお店に並んだ。隣には巨人グッズを身に付けたファンがいる中、何食わぬ顔で気配を消し「全然ばれない」と1時間以上並び続け、仙台名物にありつけた。
投げ合った才木とは同じ兵庫県出身の同郷、同学年対決だった。明石商時代に、身長187センチ(現在189センチ)の長身右腕としてプロ注目の才木率いる須磨翔風とは練習試合で何度も対戦。「僕はプロにいけるような選手じゃなかったけど、投げ合うことができてうれしい」と前半戦最後の登板で菅野、戸郷の7勝に並んだ。「菅野さんも戸郷も引っ張ってくれているんで、なんとかついていこうと。後半からが勝負。後半また調整して頑張りたい」。3本柱の一角として、不敵にマウンドに立つ。【栗田成芳】
▽巨人大城卓(1回1死一、二塁、阪神才木から左翼線に適時二塁打)「自分でもびっくりした。うまく打てて、追加点になって良かったです」



