阪神桐敷拓馬投手(25)にとっては、うれし恥ずかしの初球宴だった。1回を3安打1失点で終えた。

連夜の乱打戦となった第2戦。8-10の7回にコールを受けた。先頭の岡に対して4連続で直球を投げ込むと、強振で右翼席に運ばれた。だが、めげない。水谷に左前打されたあと、打席にこの日5安打と無双状態の近藤を迎えた。ファウルで粘られ、11球も要したが、最後は直球で二ゴロ併殺。「真っすぐでちゃんと勝負できてよかった。捕手の山本選手と楽しく投げられました」。

もともと近藤との対戦を希望していた。この日唯一の凡退という「勲章」を手にした。近藤への11球のうち変化球は2球。山本のサインに首を振りながら、計25球で21球が直球。謙虚な男は「僕には特長という特長がない。思い切って直球を投げ込むだけ」と頭をかいていた。普段は打者を牛耳る必殺のスライダーに頼らず、12球団のファンに桐敷拓馬の名を誇示した。

昨年、フレッシュ球宴での投球を岡田監督に見そめられ、最強ブルペンの仲間入り。優勝に大きく貢献した。それからわずか1年、監督選抜での大出世だった。「プロでの目標にしていた。それが1つ、かないました」。喜びをグッとかみしめた。

北海道入りした22日の夜、札幌市内で阪神勢の全員と食事に出かけた。新鮮な海鮮に舌つづみを打ちながら、ほとんど話したことのない野手の先輩たちの素顔を知った。「近本さんはアニメ好きで、中野さんは韓流ドラマ…。印象が違いました」。うれしそうに思い返した。23日も5人で外食。心がほぐれ、東京では希望していた広島栗林やDeNA森原、巨人戸郷らと会話もできた。

「楽しかった。また切り替えて、あさってから」。新しい発見ばかりの3日間。その記憶が桐敷の強い力になっていく。【柏原誠】

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