西武高橋光成投手(27)が7回途中、悔しそうにマウンドを降りた。開幕から14試合目、もう9月なのにまた勝利投手の権利を得られなかった。

「本当にストレートも良かったですし、変化球もしっかりと思い描いた軌道に乗っかっていたので」と振り返ったものの、堂々とベンチへは戻れない。

10メートルか15メートルか、ベンチから誰より前に歩いて出てきたのが、佐藤龍世内野手(27)だった。近づいて最初に背番号13をポンとたたいた。「すまん」。

4番打者として、5回には先頭打者で中越えの二塁打を放ち、外崎の犠飛で同点のホームを踏んだ。でも6回の勝ち越し機は空振り三振に倒れた。

打線全体で14安打14残塁、2得点。佐藤龍は言う。

「光成1人だけの問題じゃないし、こればっかりは。なんとか光成に勝たせたいってみんな思ってるんですけど、うまくいかないっすね…。申し訳ないなって気持ちです」

2番手佐藤隼輔投手(24)がピンチを後続を切り抜けると、高橋は背中をポンとたたいた。この日昇格し快音が出なかった渡部健人内野手(25)の背中もポンとたたいた。降板してもなお、やることをやって、0勝11敗になった。悪夢のシーズンも終わりが見えてきた。この先、マウンドでやりたいことは。

「もう変わらないですね。1試合1試合、1球1球、どれだけ集中して投げられるかっていうのは、本当に今後の野球人生にもつながってくると思うので。あきらめずにやっていきたいなと思います」

傷心のエースも野手たちも、前を向くしかない。気持ちが切れたら野球人生もどんどん-。戦いは明日も続く。【金子真仁】

▼高橋が開幕11連敗。開幕から11連敗以上は56年権藤(大洋)13連敗、50年成田(国鉄)11連敗、60年大津(近鉄)11連敗に次いで4人目となり、パ・リーグでは大津に並ぶワースト記録。また、「開幕から」に限らない同一シーズンの連敗記録は66年梶本(阪急)の15連敗で、11連敗以上は17年石川(ヤクルト)以来14人、16度目。西武では22年隅田の10連敗を抜いて球団ワーストとなった。

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