日本ハム伏見寅威捕手(34)が、1点リードの4回2死二塁で左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、4連勝に貢献した。前半戦は田宮の台頭で出番が少なかったが、球宴明けは20試合でスタメンマスクをかぶり14勝6敗。オリックス時代にリーグ連覇を知るベテランの活躍で貯金は15。ゲーム差7に縮めた首位ソフトバンクを追い上げる。

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大事なリーグ終盤で、ベテラン伏見のギアが上がってきた。4回2死二塁、カウント2-2からオリックス曽谷の高めカットボールに反応。「必死だった。ピッチャーもいい球ばっかり投げるんで。何とか前に飛んだらいいなと」。謙虚な思いで振り抜いた打球は、ぐんぐん伸びてフェンス直撃。もう少しで今季1号という打球に「それ(本塁打)はまた次の楽しみということで」と先を見据えた。

古巣にはめっぽう強く、この日も2安打で、22打数10安打の打率4割5分5厘と、カード別打率が最も高い。当然、知っている投手もいればそうでない相手もいる。「もう、やってないピッチャーばかりなので、何とも言えないですけど。オリックス相手だと何とか打ちたいなという思いは強いですね」。育ててくれた球団への恩返しの思いが、勝負どころでの力になっている。

リード面でも、冷静な判断で加藤貴を9勝目に導いた。制球力が武器の左腕が珍しく四球を出した2回を終えると「慎重になりすぎないように」と諭し、落ち着かせた。加藤貴も「その言葉でリラックスできた」。2回まで41球と球数がかさんだが、3回以降の5イニングは55球。伏見は「良い加藤を知っているので。でもその後、立ち直すのは、さすが」。後半戦は先発マスクも増え、球宴以降伏見がスタメンの試合は勝率7割。好調のチームを、守備でも支えている。

ソフトバンクとは7差。遠かった首位の背中が視界に入ってきた。直接対決は残り4試合。「全勝できたら残り3までいける。まだまだチャンスはある。こういうときって周りの勝敗が気になるんですけど、敵は相手じゃなくて自分たちだと思って、できることをやっていくことが大事かなと」。21、22年とマジック点灯なしでの逆転優勝を知る精神的支柱が、昨季最下位からの“下克上”を、演出する。【永野高輔】

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