57人目にして仕留めた。巨人オコエ瑠偉外野手(27)が、延長12回2死から自身初のサヨナラアーチを放った。8回に代走での途中出場から今季18度目の逆転勝利へと導いた。打線が3度の満塁の機会で打ちあぐね、今季ワースト19残塁の拙攻を阿部慎之助監督(45)の言霊で帳消し。高級ブランド・ティファニーとのコラボに、最高の形で花を添えた。今季6度目のサヨナラ勝ちで2連勝。2位広島と1ゲーム差のまま、首位を堅守した。

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愛の言霊がサヨナラアーチを掛けた。延長12回2死、走者なし。阿部監督がベンチから叫んだ。「一発狙ってこい!」。打席のオコエがそのまま、DeNA佐々木の初球ど真ん中の直球を左中間へ運んだ。球場の誰よりも喜んでいたのは阿部監督。ベンチから飛び出し、何度も跳びはねた。「3億円プレーヤーくらいのバッティング練習してるからね。やっと打ってくれたね、一番いいところで」。試合時間4時間41分。この試合、チーム57打席目で激闘に終止符を打った。

初のサヨナラ本塁打で、勝利の立役者・オコエは雄弁に語った。お立ち台では「今日はティファニー・コラボだった。来年ティファニーのアンバサダーをいただけるような活躍をできるように優勝目指して頑張りたいと思います」。始球式ではブランドアンバサダーの女優・三吉彩花が投球し、一塁側ベンチから見守ってから始まった激闘。「女優さんがきれいだったので、魅力に負けない野球選手になれたらなと、冗談を言いました」。コラボユニホームにあしらわれたティファニーブルーに、自身のラッキーカラー赤が映えた。

何度も何度も舞い込んだチャンスで、打線が打ちあぐねた。満塁は1、3、5回に3度。9回までに残塁は17にのぼり、延長合わせて19にまで膨れ上がった。満塁の機会を2打席、空振り三振に終わった浅野に、阿部監督は「そう簡単に相手も打たせてくれない。浅野をあえてずっと使っているのは、それを糧にして、将来チームが困った時に打つバッターになって欲しいから。だから、今までの練習が足りないってことですよ」。ここでは、言霊よりも愛の采配でメッセージを送った。

2度突き放されて2度追いついた1点差勝負で、今季18度目の逆転勝利で首位堅守。試合前までは中日と並んでリーグワーストだった逆転力も身に付けて、残り20試合。「全員で今日のような試合を毎試合、総力戦でやりたい」。ラストスパートに入ったチームに、言葉を吹きかけた。【栗田成芳】

▼オコエが延長12回2死から自身初のサヨナラ本塁打。巨人で延長12回にサヨナラ本塁打は17年6月18日ロッテ戦の亀井以来だが、前回は1死から。セ・リーグの延長制限が12回になった01年以降、引き分け目前の延長12回2死からサヨナラ本塁打を打った巨人選手は02年7月2日中日戦の二岡、03年7月6日中日戦の高橋由に次いで21年ぶり3人目。02年中日戦は今回同様に9回2死から清原の適時安打で同点に追いつき、12回2死から二岡がサヨナラ3ランを打った。また、この日は19残塁。巨人は延長13回で敗れた99年5月19日ヤクルト戦で20残塁しているが、2リーグ制後に19残塁以上で勝ったのは球団史上初めてになる。

◆オコエ瑠偉(るい)1997年(平9)7月21日生まれ、東京・東村山市出身。ナイジェリア人の父が、サッカー選手になってほしいとの願いからラモス瑠偉(サッカー元日本代表)の「瑠偉」と名付けた。関東第一では15年夏の甲子園4強。15年ドラフト1位で楽天入団。22年12月の現役ドラフトで巨人移籍。通算330試合、810打数183安打(打率2割2分6厘)、13本塁打、54打点。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1200万円。

▽巨人丸(6回2死走者なしから11号ソロ)「序盤、中盤となかなか思うような展開にはいかない中、本塁打を狙ったわけではなかったが、スカッと流れが変わるような1本を打ちたかった」

【動画】巨人オコエ瑠偉、サヨナラ弾! 延長12回最後で決めた! 打たれた佐々木はひざをつく