社会人野球の今季初の公式戦となる第79回JABA東京大会が8日、開幕した。神奈川・等々力球場ではドジャース大谷翔平投手(30)の兄・龍太監督(36)が率いるトヨタ自動車東日本が、茨城トヨペットを3-1で下して好発進した。東日本大震災から14年を迎える11日の決勝トーナメント進出を見据え、まずは予選突破を目指す。優勝チームには日本選手権の出場権が与えられる。
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米アリゾナ州で春季キャンプに臨んでいる弟も、喜ぶに違いない。ドジャース大谷の兄で、トヨタ自動車東日本の龍太監督が、初の公式戦で白星発進した。小雪が舞う寒空の下での初陣を制し「選手があくまで主役ですが、新チームになって一つ勝てたのはすごくうれしい」と、ほっと一安心した。
3回に2点を先制すると、厳しいまなざしの指揮官の顔に満面の笑みがこぼれた。最大の仕事は3点リードの9回だった。先発の中里が茨城トヨペット打線に1点をかえされ、なおも無死一、二塁。ここで監督自らマウンドに向かった。「バントのケースだと思ってたので、焦らずにいこうと。あの場面では、まだ代えるつもりはなかったので『頑張ってくれ』と声をかけました」。1死満塁とピンチを広げたが、最後は併殺に仕留め逃げ切った。
12年の発足時からチームに所属し、立場も役割も変わった。最初は187センチの大型外野手として選手兼コーチ、22年からはコーチ専任、そして今年1月からは監督に。チームへの強い思い入れは今も変わらず「(メディアに)取り上げていただけることで、東北や岩手が盛り上がる材料にはなると思っています」と、取材に応じることをいとわない。
「能力を100%出してあげるように」と、選手目線の指導を心がける新監督にとって、今大会の第1目標は予選リーグ突破だ。予選残り2試合を戦って1位で勝ち上がれば、東日本大震災発生から14年を迎える11日に決勝トーナメントが控える。優勝チームに与えられる日本選手権も見定めながら、残り試合に全力を尽くす。【平山連】
○…ドジャースで活躍する弟の翔平について、兄の龍太監督は「彼はもう自分でなんだかんだできると思いますので、まずはケガしないで投げている姿を見たいなというところだけです」と、エールを送った。東京ドームで18、19日に行われるドジャース-カブスの開幕シリーズは「私は行かないです」と、テレビ観戦を予定。新米監督として経験を積みながら、今後もMLBで活躍する弟の姿を、温かく見守っていくつもりだ。
◆大谷龍太(おおたに・りゅうた)1988年(昭63)3月20日生まれ、岩手・奥州市出身。岩手・前沢高を卒業後、水沢駒形野球倶楽部、四国IL・高知を経て、12年にトヨタ自動車東日本へ加入。コーチ兼外野手としてプレーし、18年には都市対抗に出場した。22年からはコーチに専念し、今年1月から監督を務めている。背番号は「88」。右投げ右打ち。



