接戦を制して優勝マジックをついに9としたが、阪神藤川球児監督(45)の表情は険しかった。「修羅場をくぐり抜けている選手はそれが当たり前なんですけど、それ以前のお子ちゃまレベルの選手も多いですから」。テレビインタビューの中でも、珍しく続く厳しい言葉。「まだまだひよっこな選手たちがいますから、私としてもしっかり頑張ってほしい」。目についたのは、リードして迎えた中盤のシーンだった。

3-2の6回無死一塁。投手の代打に高寺望夢内野手(22)を送った。犠打を命じたが、初球の甘い直球を投飛にしてバント失敗。痛恨のミスに、高寺は打球の行方を見つめたまま立ち尽くしてしまった。「単純にバントのフライが上がって走っていないとか。その後、(ベンチで)1軍の選手と同じように後ろに下がってしまって。逃げてんじゃない、と」。

指摘したのはミスではなく、その後の姿だ。「僕は最高の選手を送り込んだつもりで、グラウンド上に立ってもらっている。その選手が自分のプレーに少しうまくいかないからって下がっているようではこのチームじゃ戦えないよと」。信じているからこそ、口惜しかった。

一方で、選手だけのせいにはしなかった。「高寺でそうということはみんなそうだということ。それは自分の責任ということで、タイガースの1、2軍のスタッフ含めて全員で反省していきたいと思います」。優勝を目前に、厳しく引き締めた。【磯綾乃】

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