会心の一撃で勝利をつかんだ。阪神森下翔太外野手(25)は左翼席へ大飛球を運ぶと、本塁を踏む瞬間、大きく広げた両手をパチンと合わせた。
「久しぶりに角度もしっかり出て芯で捉えられた。やっといい形でホームランが出て、すごくうれしい」
また試合を決めた。両チーム無安打無得点で迎えた4回。先頭の近本がこの試合初安打を放ち、二盗を決めた。1死二塁。森下は低めの126キロスライダーを強振した。21号先制2ラン。決勝弾でV決定後初白星に貢献した。
これで決勝打は両リーグ最多の今季19度目。リーグ優勝した05年の今岡に並び、球団歴代2位タイとなった。同年に球団記録の147打点をたたき出した昨季の打撃コーチに肩を並べる勝負強さに、本人も納得顔だ。「それだけ勝利に貢献できていると実感できる数字」。リーグ優勝&日本一を成し遂げた85年のバースが積み上げた球団最多22度の決勝打まで、残り3本に迫っている。
相手先発の石田裕は中大の1学年後輩。初対戦の前回は2打数無安打だった。この日も3回まで完全投球。自身も初回は外角いっぱいのボールで見逃し三振に倒れ、膝から崩れ落ちていた。それでも切り替え、修正しての決勝弾。「前回やられて悔しかった。今日は1本出そうと。最高の形になった」。先輩としての威厳をしっかり保った。
歓喜の瞬間を迎えても気は緩めない。V奪回決定後の全3試合で安打をマーク。プロ入り後最長の12試合連続安打を記録した。打点も82に増やし、1位佐藤輝の90に8打点差まで近づいた。「優勝してもCS、日本シリーズにつながるので気を引き締めている」。余韻に浸っている暇はない。
チームは負ければ今季初となっていた甲子園での同一カード3連敗を阻止。「勝ち癖というか勝ちに徹して、最高な形でCSを迎えたい」。勝負強さに磨きをかける。【塚本光】



