阪神村上頌樹投手(27)が雄たけびを上げた。
逆転直後の6回2死走者なし。野村を低め132キロ落ち球で見逃し三振に斬ると、感情を爆発させた。2回には、牧原大から59キロ超スローボールで見逃しストライクを奪うなど持ち味全開。序盤から何度もほえ、気迫全開の7回を6安打1失点にまとめた。「楽しんで投げられた。相手も本当に強かった。初戦取りたいと思っていたので勝ててよかった」。レギュラーシーズン、CSファイナルに続き今季3度目の“開幕投手”。有原とのセパ最多勝対決を制し、23年の日本シリーズ第1戦以来の勝利投手となった。
115球、粘りの熱投だった。初回2死二塁で近藤に先制の中前適時打を献上。だがその後はしっかり立て直し、2回は3者凡退で3~5回は走者を出してもホームは踏ませなかった。その踏ん張りに味方打線が応え、6回に佐藤輝の適時打などで逆転。「チームは強いので逆転してくれると信じていた」。最後も叫びながらマウンドを降りた。
今季身につけた「切り替え力」が光った。23年にMVPと新人王に輝くも、昨季はリーグワーストタイの11敗で7勝止まり。「『去年は去年』と割り切ってスタートした」。昨年は、失点した場面で「あー」と引きずることもあった。だが、今年のメンタルは違う。
「取られた点が0になることはない。次どう取られないか切り替えるしかない。引きずっても仕方ない」
参考にしたのは自軍や相手の投手だった。「俺やったら、こう考えて投げようかな?」「ボール球見られたけど次どういくんかな?」。試合展開に沿って常に自分が投げる姿をイメージトレーニング。引き出しが増え、マウンドでも動じなくなった。シーズン26先発で複数イニングで失点したのは3試合だけ。粘りの投球をモノにしたことで打線の援護も増え、最多勝、最高勝率、最多奪三振の3冠をゲットした。
この日も初回の1失点のみで逆転白星を呼び込んだ。藤川監督も「尻上がりに調子を上げて自チームの攻撃を待つ、シーズンそのままの投球。素晴らしかった。それがエースですからね」と高評価。今季3度の開幕投手はすべてチームを勝利に導いた。堂々の115球だった。【塚本光】



