藤川阪神がまさか連発で終戦した。ソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ2025」第5戦に逆転負けして4連敗。3点リードの8回に登板した石井大智投手(28)が柳田に同点2ランを被弾。シーズン、CS、日本シリーズ合わせて56試合連続無失点だった右腕が、6カ月ぶりに失点した。延長10回は第1戦で先発した村上頌樹投手(27)が中4日で緊急救援したが、野村に勝ち越しソロを被弾。阪神は歴史的な強さでセ界を制したが、ソフトバンクとのシリーズは4度全て敗れ、無念の甲子園胴上げを許した。
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ホークスの壁は厚かった。延長11回に力尽きた。阪神は南海、ダイエー時代を含めて日本シリーズで4度対戦したが、今回も日本一にはたどり着けなかった。最後の打者高寺が二ゴロに沈み、三塁ベンチからマウンドへ歓喜でダッシュするソフトバンクナインを藤川監督は、腕を組みながら少し赤らんだ顔で見つめた。
「悔しさはないです。それだけ相手が強かった。悔いが残るようなことは全くしてませんから」。就任1年目で史上最速9月7日のリーグ優勝を成し遂げた。だが日本一への道は1勝後4連敗、甲子園では球団初の3連敗で幕を下ろした。
切り札が次々と打ち砕かれた。2点リードの8回に不動のセットアッパー石井が3番手登板。1死一塁から1番柳田に、初球の外低め150キロ直球を左翼ポール際にたたき込まれた。今季50試合連続無失点の日本記録を樹立し、CSファイナル3試合、日本シリーズ3試合と無失点を続けてきた0魔神が6カ月57試合ぶりの失点を喫した。まさかの痛恨被弾。石井は「今日打たれたから言うわけじゃないんですけど、4試合の中で力の差を感じていた。今日も柳田選手に明らかに力負けです」と話した。
エース村上も打たれた。初戦に先発し7回115球1失点で、日本シリーズでのみずほペイペイドーム7戦7敗の“博多の呪縛”を拭い去った右腕が、中4日で緊急のリリーフ登板。だが2イニング目の11回先頭の野村に148キロの直球を右翼席に運ばれた。3冠右腕は「(リリーフの準備は)全然できていたので、言い訳はないです」と潔く結果を受け止めた。
石井が打たれ、村上まで打たれたら仕方ない。指揮官は前を向いた。「(選手、スタッフには)胸を張ってリーグ優勝の報告をこれからしていこうと。またチームとして力を引き上げていかなきゃいけないのが私の仕事。取りかかること、立ち向かうところがまたあっていいなと思います。ありがたいことですね」。来季こそ日本一へ。決意新たに猛虎の再挑戦が始まる。【伊東大介】
▽阪神秦雅夫オーナーの話 今シーズン、チームは「守りの野球で勝つ。」という方針のもと、最後まで粘り強く戦い抜いてくれました。福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズは、両リーグの覇者が誇りを懸けてぶつかり合う戦いでした。ファンの皆様のご期待に応えることはできませんでしたが、堂々と戦い抜いた藤川監督をはじめ、コーチ、選手、チームスタッフを心から誇りに思います。そして、この経験と悔しさは、必ずやチームの糧となり、更なる成功につながるものと確信しております。来シーズンは、まずはセ・リーグを連覇すること、そしてポストシーズンを勝ち切ることを目指して、心を新たにして挑戦を続けてまいります。最後になりますが、シーズンを通じて熱い声援を送り続けてくださったタイガースファンの皆様、長年にわたり球団を支えてくださっている全ての皆様に、深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
▽阪神粟井一夫球団社長の話 本日をもって、2025年シーズンの全日程が終了いたしました。球団創設90周年という節目の年に、チームは藤川球児監督のもと、一戦一戦に全力を尽くし、セ・リーグ制覇、そして日本シリーズ進出という大きな成果を遂げてくれました。惜しくも日本一の座には届きませんでしたが、最後まで勝利を目指し戦い抜いた藤川監督をはじめ、コーチ、選手、そしてチームスタッフの姿勢を誇りに思います。また、シーズンを通じて、球場をはじめ全国各地から熱い声援を送ってくださったファンの皆様、並びに全ての関係者の皆様に、改めまして心より御礼申し上げます。この日本シリーズ敗退の悔しさを糧に、阪神タイガースは来シーズン、セ・リーグ連覇そして日本一の奪還に向け、果敢に挑戦してまいります。引き続き、阪神タイガースへの変わらぬご声援をよろしくお願い申し上げます。
▼阪神はソフトバンクを苦手としている。日本シリーズで対戦したのは、南海、ダイエー時代を含め4度目だったが、すべて敗退。特にソフトバンクになってからの2度の対戦ではいずれも初戦勝利後の4連敗で退けられた。交流戦でも通算29勝41敗4分けの借金12。交流戦カード別ではワーストで、交流戦通算の借金(10)はソフトバンク戦の借金がなければ貯金2になっている。



