<横浜5-7巨人>◇9日◇新潟

 首位の巨人が総力戦で横浜に競り勝ち、連勝を今季2度目の5に伸ばした。横浜の先発左腕ランドルフに対し打線を組み替えた。6番に10年ぶり一塁の谷佳知外野手(37)、7番に2年ぶりスタメンの矢野謙次外野手(29)と右打者が入り、投手を除いて今季最多となる6人の右打者が並んだ。2点差に追い上げられて迎えた5回には、矢野が値千金の2点二塁打。主力の離脱者が相次ぐ中、選手層の厚さを武器に、貯金を今季最多の12として12日からの交流戦に臨む。

 原辰徳監督(51)は「総力戦ですね」と満足そうに振り返った。持てる力を出し切ってつかんだ白星だった。

 横浜先発が左腕ランドルフと読み切るや、打線を組み替えた。6番に10年ぶり一塁の谷、7番に2年ぶりスタメンの矢野、8番に20歳の中井を抜てき。3番小笠原、5番阿部、投手内海を除き右打者を並べた。野手8人中、右打者6人は、4日のヤクルト戦に並ぶ今季最多。ベテラン、中堅、若手を守備位置も含め柔軟に組み合わせた。

 理由があった。横浜先発のランドルフは左打者の被打率が1割8分9厘(53打数10安打)に対し、右打者には3割3厘(89打数27安打)と打ち込まれていた。原監督は「チームの最善策です」とだけ説明したが、狙いは“無言の圧力”。クリーンアップを挟む形で右打者を並べ、開幕投手を務めながら未勝利で、立ち上がりに難のある左腕を心理的に揺さぶった。

 狙いは当たった。1回、クリーンアップ3人で5点のリードを奪ったが、4回までに2点差に詰められた。追加点が欲しい直後の5回。亀井の負傷で10日前に1軍に昇格し「出られる喜びを感じながらプレーしている」と言う矢野が起用に応え、流れを取り戻す中越え2点二塁打を放った。原監督も「1回のビッグイニングのあと嫌な感じになったけど、矢野の適時打が大きかった。結果を出すと、今後もスタメンが増えていくと思う」と褒めた。

 原監督は、よく「準備が大切なんだ」と口にしている。谷はオリックス時代の00年9月12日以来となる一塁だったが、原監督は谷と話し合い、4月23日から守備練習を始めさせていた。くしくも、直後に松本、亀井と外野手に故障者が続いた。一塁も守る亀井の離脱は用兵の幅を狭めかねないが、谷がカバーした。日ごろの危機管理が形になった原監督は、谷の今後の一塁起用について「可能性はあるでしょう」と話した。

 故障者続出など指揮官の悩みは多い。気晴らしの競馬も、今季は1回しか馬券を買っていない。ただ、その1度切りの勝負で6点買いの3連単を的中させた“読み”は、さすが。野球では相手先発を読み切り、持てる力をやりくりし5連勝。原監督は「いい形で交流戦に入れると思いました」と手応えを口にした。ダルビッシュ、岩隈ら好投手ぞろいのパ・リーグも、変わらぬ強さで粉砕する。【古川真弥】

 [2010年5月10日8時32分

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