<ロッテ8-1巨人>◇2日◇千葉マリン
パ・リーグ首位のロッテは、1日に1軍に初昇格した岡田幸文外野手(25)が初先発し、2回に初盗塁を決め、4回には無死一、三塁から初安打となる中前打で初打点を挙げた。唐川、荻野貴ら離脱者が相次ぐ中、育成選手からはい上がった2年目の活躍で2日続けて巨人に快勝し、交流戦、パ・リーグともに単独首位をキープした。
岡田がさっそうとグラウンドを駆け抜けた。50メートル走は6秒を切るというスピード自慢は2回、併殺崩れで出塁すると、計3度けん制を受けながら難なく二盗に成功した。6回にも余裕を持って二盗に成功し、直前の犠牲バントの失敗を“帳消し”にした。8回には、右中間に飛んだライナー性の打球を走りながら好捕。プロ初スタメンとは思えない堂々のプレーでスタンドをわかせたが、初体験のお立ち台では「初安打は本当にうれしい。ドキドキでした」と、初々しく笑った。
異色の経歴の持ち主だ。社会人時代は足利ガスに勤め、プロパンガスを各家庭に運ぶ仕事を2年間続けた。社会人野球チームの全足利クラブから08年育成ドラフト6位で入団した。妻の由美子さん(36)からはプロ入りを反対されたが「2年間だけやらせてくれ」と説得。栃木・足利市に家族を残して、2軍寮近くのアパートで1人で暮らしている。前夜は離れて暮らす真優ちゃん(3)と凛乃ちゃん(2)と電話でおしゃべり。愛娘から「パパ頑張ってね」とエールをもらい、奮起していた。
5月26日に新人の荻野貴が右ヒザを手術し、代役として期待された早坂は同30日に左ヒザの靱帯(じんたい)を損傷して離脱した。そんな緊急事態で、09年、俊足と高い守備力を買われて支配下登録された苦労人が初めて1軍に昇格した。そして初の出場機会で見事結果を出した。西村監督は「(岡田は)堂々としていた。けが人をみんなでカバーする気持ちの表れだった」と満足げ。高橋2軍監督は電話で「やったじゃねえか」と祝福した。
投手、野手ともに故障者が続いて台所事情は苦しいが、推定年俸440万円の岡田のような代役がいるから強い。ロッテにまたしても明るい話題が飛び込んできた。【斎藤庸裕】
[2010年6月3日9時16分
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