<中日10-0阪神>◇8日◇ナゴヤドーム
圧巻の虎狩りだ!
中日中田賢一投手(28)が阪神打線を4安打に抑え、今季2度目の完封勝利を挙げた。かつて虎退治の名人だった右腕が、阪神戦2年ぶり勝利で復活した。1週間前の敵地甲子園では1分2敗に終わったが、今度は本拠地でリベンジの3連勝だ。首位巨人とのゲーム差は4・5のままだが、2位阪神とは3差に接近。虎キラーの復活が、逆転優勝の推進力になる。
涼しげな顔だった。9回、最後の打者ブラゼルを初球で二ゴロに打ち取ると、中田賢はマウンド上でフーッと息を吐き、スコアボードに並んだ9つのゼロをゆっくりと見つめた。「(完封は)特に意識はしていなかったけど、森さん(ヘッドコーチ)に最後まで行けと言われました。1人で投げられてよかったです」。阪神戦2年ぶりの勝利を冷静に振り返った。
リベンジの舞台だった。前回登板した7月31日の甲子園では、5回1/3を投げるのに132球を要した。だが、この日は9回を投げて120球。軽快なリズムを刻んだ。「こないだはテンポが悪すぎだけど、いい投げ方をしている時は疲れも少ない。吉見、山本さんときていたので、流れを切らないようにと思って投げた」。2回には無死一、二塁のピンチを背負ったが金本、城島ら強打者にも強気に内角を攻め、得点を許さなかった。
チームにとって待ち望んだ虎キラー復活だ。入団した05年から07年までの3年間は、阪神戦通算8勝2敗。キレのある速球は猛虎をひるませた。だが、そんな栄光もいつしか過去に…。「結構たっていると思っていました」。08年7月20日(ナゴヤドーム)以来、約2年ぶりの虎退治で、キラー復活を力強く印象づけた。
今年でプロ6年目。中堅としてチームを支える意識はグラウンドの外でも変わらない。今年1月、浅尾、岩崎達、山内らとともにグアムに合同自主トレに向かう際には、空港でサインを求めるファンを仕切り、それぞれ一列に並ばせて即席のサイン会を開催。立浪氏、井上打撃コーチが引退し、井端が別の空港から飛び立つ中「あっ、オレが最年長だ」と気付き、すぐに行動に移してみせた。そんな全体を見渡せる余裕が、この日のマウンドにも反映された。
落合監督も「きょうは中田だよ」とにっこり。9回を投げきった右腕を「昔からそうやってやってきたんじゃん。先発投手が皆、6回までだったら野球にならない。きょうは中田です」とたたえた。
逆転Vを手にするためには、2位阪神は今後も絶対に倒さなければならない相手。9月に6試合を残す中、中田賢が阪神戦で手にした白星は、チームに勇気を与え、秋へ向けて大きな1勝になるに違いない。【福岡吉央】
[2010年8月9日11時23分
紙面から]ソーシャルブックマーク



