<ソフトバンク4-5オリックス>◇10日◇福岡ヤフードーム

 オールサウスポー先発で巻き返すしかない!?

 ソフトバンクのデニス・ホールトン投手(30)が3試合連続KOを喫し、登録抹消が決まった。5回途中5失点での降板に、秋山幸二監督(48)が2軍再調整を決断。代役は155キロ左腕の陽耀勲投手(27)で、これで先発6人全員が左腕という前代未聞の態勢で打開を図ることになった。チームは今季ワーストタイの6連敗となり、首位西武との差は1・5ゲームに広がった。

 「最後の先発右腕」がまたもKOされた。193センチの長身を小さくして、ホールトンがベンチに下がった。視線は地面に落としたまま。5回途中5失点で降板した。登板3試合連続で5回をもたずにマウンドを去った。「浴衣応援デー」に集まったあでやかな女性ファンも、落胆のため息をつくしかなかった。

 昨季11勝の助っ人右腕も、ついに先発失格の判断を下された。秋山監督が重い口を開いた。「うまくいかんね。ホールトンがなあ。これで3試合だもんな。上がってこない。1回(1軍の先発を)飛ばす」。故障以外では2年ぶりとなる2軍降格を明言した。右足内転筋痛で戦列を離れて以降は、復帰戦となった7月19日の西武戦こそ白星を飾ったが、以後3試合は本調子を欠いたままで、下半身を使わず上体だけで投げる姿が目立つ。再調整で復調をはかることになった。

 絶好の舞台を与えられても立ち直れなかった。熊本、旭川と2試合続いた地方球場から慣れ親しんだ本拠地に戻り、相手は今季2戦2勝のオリックス。だが、制球力も球威もない。1回にカブレラの2点二塁打で先制を許すと、同点に追いついてもらった直後の2回には先頭バルディリスに勝ち越しソロを献上。5回1死一塁からまたもカブレラに2ランを浴び、“タオル”を投げ込まれた。

 先発陣は前代未聞の異常事態に陥った。ホールトンの代役は、この日に2軍の練習試合(三菱重工広島戦)で先発して3回無失点と好投した陽耀勲に決定。先発6人は杉内、和田の2枚看板に、大隣、小椋、山田、陽と全員が左腕となった。「左腕王国」といえば聞こえはいいが、先発右腕不足は深刻。7試合連続で5失点以上を喫している台所事情はますます厳しくなった。

 今季ワーストタイの6連敗となったチームは、Bクラス転落まで現実味を帯びてきた。首位西武との差は1・5ゲームに開き、4位オリックスには3ゲーム差に迫られた。貯金も2ケタを割り込んだ。これ以上は負けられない。秋山監督は「しょうがいない。明日、切り替えていこう」と巻き返しを誓った。11日は和田が先発予定。こんな“夏休み”はもう終わりにしたい。

 [2010年8月11日11時32分

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