<中日3-1巨人>◇18日◇ナゴヤドーム

 原巨人が3連敗で、じり貧だ。鋭いフォークを武器に快投を続ける中日山井に封じ込まれ、無安打無得点も頭によぎった。9回、先頭坂本勇人内野手(21)がチーム初安打となる22号ソロを放ち、危機は回避したが、打線は連日貧打にあえいでいる。首位阪神には2ゲーム差をつけられ、3位中日にも0・5ゲーム差まで迫られた。

 待望のHランプにも、巨人坂本に笑顔はなかった。歓声と悲鳴が交錯する中、淡々とダイヤモンドを1周。山井のノーヒットノーランを阻止する1発を放った喜びに浸る間もなく、ベンチから戦況を見守った。「何とか1点返せて良かったんですが…」。チームの敗戦に、最後まで表情が晴れることはなかった。

 「打ちたいという気持ちで入った」。3打数無安打で迎えた9回無死、記録阻止を強く胸に誓って、打席に立った。カウント1-1からの3球目。高めに浮いたスライダーを、左翼ポール際に運んだ。「直球を待っていましたが、甘い球がきたので」。逆境の場面でも変わらない、研ぎ澄まされた感覚を発揮した。

 自身の“トンネル”を脱する1発でもあった。14日横浜戦の第1打席で本塁打を放って以来、14打席連続無安打。チーム唯一、フルイニング出場を続けているが「1番がこれじゃ、打線も機能しないですよね。しっかりしないと」と責任を感じていた。勝利に結び付かなかったが、次戦への光を見いだした。

 坂本が一矢報いたが、コーナーに投げ分ける山井の投球に、翻弄(ほんろう)された。3、7回は四死球で得点圏へ走者を進めたが、後続が続かず。わずか1安打では、攻略の糸口さえつかめなかった。原監督は「見ての通りです。ベストを尽くして戦ったけれど、こういう結果になった」と完敗を認めた。

 中日、阪神と続く勝負の6連戦を連敗スタート。試合後、阿部主将を中心に選手だけの緊急ミーティングが開かれた。

 阿部

 今の状況を真摯(しんし)に受け止めよう。何連敗しようともやらないといけないわけだから。現状を打破できるのも選手。僕らは3年間いい思いをしてきたし、これも神様が与えてくれた試練だと思って、みんなで力を合わせてやっていこう。

 主将の言葉に、選手は気持ちを新たにした。帰りのバスに乗り込む坂本は「また明日、切り替えてやっていきます」と力強く言った。原監督も「どういう状況であっても、明日につなげようと戦うことは大事なこと」と同じ思いだった。首位阪神との差は2ゲーム。リーグ覇者が真価を見せる時がきた。【久保賢吾】

 [2010年8月19日14時23分

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