守護神が輝きを取り戻した。阪神藤川球児投手(30)が17日、沖縄・宜野座キャンプ最終日に真弓明信監督(57)からキャンプ前半のMVPに選ばれた。自主トレから走り込みを重ね、「言われる気がしていた」と納得の仕上がり。一方で、若手の台頭が目立たなかったのも悲しい現実だった。

 どうしても目立ってしまう。沖縄で20人の投手陣がしのぎを削った17日間が終わった。一番の輝きを放ったのは藤川だった。真弓監督はキャンプ前半を振り返ると、真っ先に守護神の名を挙げた。

 真弓監督

 球児だ。ブルペンに入るのは少なかったが、初日からいい球がきていた。投げない時期もあったが、下半身を鍛えて、いいボールがいっていた。

 すべてが強烈だった。2日の初ブルペンではキレある直球だけでなく、高速カーブを披露。ブルペンでは連日、FA入団の小林宏、藤井、ルーキー榎田と新加入選手を驚かせ続けた。16日の初のフリー打撃では森田、野原将に42球を投げ、引っ張られたのがわずか2本。監督の“ご指名”も、うすうす予感していた。

 藤川

 そういうのは言われる気がしていた。自分がやってきたことが、最終的にチームのためになるようにがんばりたい。

 沖縄入りしたのは1月11日。自主トレ期間中から重視してきたのは走り込みだった。キャンプでもアーリーワークでランニングに励んだ。ブルペンを回避した日でもサブグラウンドで黙々と走り、走行距離は1日8~9キロ。疲労の蓄積で7日は右足内転筋痛でリタイアしたが、今となっては影響はまったくない。

 藤川

 安芸に行ってもう1回走り込もうと思う。足も気にならないからね。3月頭までバテた状態でいければと思う。そういう方が、疲れたときのボールもいいと思うからね。

 やってきたことに間違いはない。限界も知った。さらに2次キャンプでも下半身をイジメ抜き、シーズン中の理想の投球フォームを固めに入る。

 藤川

 自分のいいイメージを持てそうな気がする。まあ、見ていてください。

 生まれ故郷の高知でもう一回り大きくなり、シーズンに突き進む。ただ見ているだけで、楽しみが膨らむ。

 [2011年2月18日10時54分

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