V奪回のキーワードは「料理男子」への変身だ。日本ハム栗山英樹監督(53)が、来季へ向けてユニークな自己改革に乗り出すことになった。14日に千葉・鎌ケ谷で2軍の新任コーチ3人と記者会見に出席した。毎オフに野球につながるように異分野を体験中で、今オフは過ごし方をモデルチェンジ。日頃からの読書のほかに、挑戦するのは男の手料理。「気分転換もあるけれど、今年はちゃんと料理をやってみようと思っているんだ」と大まじめだ。

 生活の中心軸である野球に生かすための秘策だった。現役引退後に5年間、料理番組に出演。6月には球団、日本ハム本社の協力で「料理教室」を開いたほどの腕前だが、極める必要があると感じたようだ。

 栗山監督

 オレ、かたくり粉ばかりを使っちゃうんだよね。あんかけみたいなのが好きなのはあるけれど…。何にでもとろみが、つけばいいと思ってさ。それじゃダメだよね。野球と一緒だと思ってさ。

 来季は小谷野、大引の主力野手2人のFA移籍が決定的で、戦力構想が一変する。投手と野手ともに若手主体への流れに、さらに拍車がかかる。画一的な戦略や用兵ではなく、変化が必須と判断。食材に応じ、バラエティーに富んだ一品を生み出す。その料理の創意工夫を野球に投影。選手を生かす新スタイル構築のヒントが生まれるとのアイデアだ。昨オフはキノコ栽培の名人、クマの権威らに弟子入りし感性を磨いた。今季は「料理男子」へ。まずはオフに台所に立ち、来季は主戦場のグラウンドで腕をふるう。【高山通史】