4年越しの「恋」が実った。日本ハムからドラフト2位で指名された九州国際大付・清水優心捕手(18)が29日、北九州市内の九州国際大で指名あいさつを受けた。担当の原田豊アマスカウト(55)は、山口・柳井高監督を務めていた3年前から、当時中学3年だった清水に注目。立場が変わった今ドラフトで、ついに願いはかなった。

 いちずな想いは、きっと届く。片思いに悩む全国の男女にも伝えたい「愛の物語」が完結した。日本ハムから指名あいさつを受けた清水は「期待に応えられるように頑張りたいです。北海道は熱いファンばかりだと思うので、稲葉さんのように好かれる選手になりたいです」。さっそく、入団後の自分を想像した。

 がっちりと握手した。担当の原田アマスカウト。東海大時代には巨人原監督と三遊間を組んだ実績があり、プロ未経験者でありながら、昨年オフに就任した異色のスカウトだ。その原田スカウトは実は、清水に一度“フラれていた”。3年前、柳井高監督を務めていたときの話。岩国ボーイズですでに才能の片りんを見せていた清水にほれ込み、熱視線を送っていた。「ケタ外れでしたよ。入ってくれていたら、間違いなくチームは強くなっていた」。だが、清水少年は同校を受験することなく、福岡の強豪・九州国際大付に進学。4番キャプテンとして甲子園にも出場する逸材になった。

 再会は、今年の1月だった。原田氏は、日本ハムのスカウトになっていた。「びっくりしました」と清水。再び、2人の距離は縮まった。そして今月23日、運命のドラフト会議。他球団の評価も高かった選手だが、見事にドラフト2位で日本ハムが交渉権を獲得した。同スカウトの「恋」は、実った。

 人口約2万人の山口・周防大島出身。高校通算35本塁打の長打力に加え、遠投115メートルの強肩を誇る。清水は「城島さんや阿部さんのように、クリーンアップを打てる捕手になりたいです。まず、しっかり体作りをしたいです」と意気込む。北海道・札幌に舞台を移すランデブー。チームを支える主力選手に成長することが、2人が描く、共通した将来像だ。【本間翼】