歩むぞ緒方ロード!

 広島ドラフト1位の中部学院大・野間峻祥(たかよし)外野手(21)が19日、岐阜市内のホテルで仮契約を結んだ。契約金は1億円プラス出来高払い5000万円、年俸は1500万円の満額評価(金額は推定)。背番号は緒方孝市監督(45)が入団時につけていた「37」に決まった。目標は首位打者、盗塁王。走攻守で輝き広島の顔になる!

 大きな背中に、必ず追いついてみせる。野間は緊張感から額に大粒の汗を浮かべていた。時折それをぬぐっては、気を引き締める。契約金、年俸ともに最高額を示された。それだけではない。提示された背番号は「37」。緒方監督が入団から9年間つけていた番号だった。汗を一拭きすると、率直な感想を口にした。

 「うれしいし、プレッシャーにもなります。緒方監督は走攻守そろった素晴らしい選手。1年目からしっかりやっていかないとという気持ちです」

 緒方監督は現役時代、3年連続盗塁王、5度のゴールデングラブ賞を獲得。生涯打率も2割8分2厘と、そのすべてのプレーで魅了した。野間も同じ万能型。松本スカウトも「3拍子そろっている。1年目からレギュラーをとれる力がある」と能力の高さを評価する。緒方を目指せ-。大きな期待を全身で受け止めていた。

 将来的な目標は盗塁王と首位打者だ。さらにゴールデングラブ賞も狙えるレベルにある。遠投は110メートル。「足と肩はスランプはないし、いつでも絶好調でないといけない」と、自身の特長も理解している。「万全な状態でいきたい」と、内定している1軍春季キャンプから、アピールしていくつもりだ。

 まずは準備を整える。プロの門をたたくにあたり「体づくりとか基礎的な部分を一からやっていきたい」と意気込む。年内は中部学院大に残ってトレーニングを積む予定という。最後は汗も止まり、しっかり前を向いて口にした。

 「走攻守そろった、リーグを代表する選手になりたい。広島の顔じゃないですけど、そういう選手になっていきたいです」。1歩踏み出したプロへの道。野間の眼前には、緒方ロードが続いている。【池本泰尚】

 ◆緒方監督と背番号

 86年ドラフト3位で入団した緒方監督は、入団から95年まで9年間、背番号37。96年から引退までは背番号9として活躍。95年から97年まで3年連続盗塁王。95年から99年まで5年連続でゴールデングラブ賞を獲得した。37番から出世し、名実ともに球界を代表する選手となった。