絶好調の中田翔外野手(23)は「おかん」の米国上陸を力に変える。母香織さんが16日にサンフランシスコ入りし、今日17日の準決勝を球場で観戦する。スター街道を歩む今も、厳しく叱ってくれる母の声援は心強い。7番左翼で先発予定の息子は「ここまで来たからには、後悔だけはないようにね。最後(優勝)だけを見てがむしゃらにやりたい」と、並々ならぬ気合をみなぎらせた。

 心身ともに準備は万端だ。「すり足打法」から「1本足打法」に戻し、前日15日カブス戦では2戦連続3安打&侍初アーチを記録。準決勝の舞台、AT&Tパークで行われたフリー打撃では左翼103・3メートル、中堅121・6メートルの左中間席中段までボールを運び、「すごく格好いい球場。やっていて楽しい」と笑った。

 「身体能力、パワーで日本人が勝てるところはない。打つこともそうだし、守備も走塁も頑張りたい」。謙虚に意気込んだが、期待は高まる一方だ。侍ジャパンの特別顧問を務めるソフトバンク王貞治球団会長は「短期決戦はヒーローが必要。自信を持ってほしい。若いんだから、気にせずバットを振ってほしい」と力説。世界のホームランキングからお墨付きをもらい、フルスイングする。【佐井陽介】