WBC世界フライ級王座戦の前日計量が28日、都内で行われた。

 抑揚をつけながらゆっくり話す、いつもの内藤節が戻ってきた。計量を終えた安堵(あんど)感からか、表情には時折、笑みも浮かぶ。「体調はいいです。これから(気分が)グアーッと来るでしょう。水分を取って、だいぶ楽になった」。ピリピリしていた前日の調印式とは別人だった。

 興毅とはこの日も、過度の接触はなかった。計量会場でこそ顔を合わせたものの、入退場は別々。「あんまり(興毅は)見ないようにしてた。おれにはおれのペースがある」。27日のテレビ番組で、「負けたら引退」と発言したことも、「試合が終わってから考えること」。と封印した。あとは「いつもと一緒。かみさん(真弓夫人)の手料理を食べるよ」。8度目の世界戦を迎えるベテランが、スッと肩の力を抜いた。