日馬富士の暴行問題に揺れる九州場所9日目に、さらなる“激震”が走ったのは打ち出し後だった。高砂一門の一門会中止-。八角理事長(元横綱北勝海)らが所属する一門が、日本相撲協会の2年に1度の理事候補選挙に向けて話し合う大事な会合が、急きょ取りやめとなった。新たな問題勃発かと騒然となったが、実は会場となる福岡市内の料亭の予約を、幹事役の振分親方(元小結高見盛)が忘れたことが原因だった。

 毎年9日目に同じ会場で実施するだけに、親方衆が続々と集まったが、料亭からは「高砂一門でご予約は入っていませんが…」との回答。すでに満席だったため、そのまま解散、中止となった。「どうなってるんだ」との電話を次々と受けて「めちゃくちゃ焦った」(振分親方)。翌10日目は通常よりも2時間以上早く場所入りし、一門の親方衆へおわび行脚を行った。

 一日中、肩をすぼめてシュンとしていた振分親方は「自分に腹が立った。毎年のことだから予約が入っていると思っていたけど…」などと、一言話すごとにため息をもらした。幹事役の会計担当を今年、谷川親方(元関脇北勝力)から引き継いだばかりということもあり「こんな時に酒席の写真が雑誌に載ったら誤解される。ファインプレー」との声も上がった。多くの一門親方衆も「日にちも会場も同じだから、もう来年の予約を入れるべきだな」などと心配しつつ、笑うしかなかった。天性の愛されるキャラクターで、翌日の角界は話題持ちきりだった。【高田文太】