観客席は連日盛況、そして取組前に土俵を回る懸賞幕も大にぎわいだ。初場所前日時点での懸賞申込件数は2955本。過去最多だった昨年秋場所の2618本を大きく上回った。日本協会の懸賞担当者は「切符が売れていることが大事。お客さんがたくさん入っているから、宣伝効果も得られると考えていただいたのでは」と分析する。

ドジャースの大谷翔平らがデザインされた米大リーグ日本開催宣伝告知など、新たな懸賞主が多いことも今場所の特徴。申し込みがあった計110社のうち、約1割にあたる13社が新規だった。海外法人など、これまで縁がなかった企業からの問い合わせも増えているという。

懸賞は1本7万円。勝ち名乗りを受けた力士は事務経費を除いた6万円を得られる。納税充当金として半額を協会がいったん預かるため祝儀袋の中は現金3万円。注目度の高い取組ほど懸かる懸賞は多い。5日目、39本もの懸賞がついた大関豊昇龍戦に勝った熱海富士は、祝儀袋のボリュームに驚いたような表情を浮かべた。翌6日目も大関琴桜を破り、さらに24本の懸賞金を獲得。2日で計378万円の副収入を稼いだ。

力士にとって懸賞は発奮材料の1つ。その本数は人気のバロメーターでもある。【奥岡幹浩】

琴桜と隆の勝の一番に懸けられた時代劇専門チャンネル「鬼平犯科帳」の懸賞幕(撮影・小沢裕)
琴桜と隆の勝の一番に懸けられた時代劇専門チャンネル「鬼平犯科帳」の懸賞幕(撮影・小沢裕)
1月16日、豊昇龍を小手投げで破り懸賞金を受け取る熱海富士
1月16日、豊昇龍を小手投げで破り懸賞金を受け取る熱海富士
1月17日、懸賞金の束を見つめる熱海富士
1月17日、懸賞金の束を見つめる熱海富士
1月17日、琴桜と熱海富士の一番で物言いになり懸賞金を呼び出しに渡す式守伊之助
1月17日、琴桜と熱海富士の一番で物言いになり懸賞金を呼び出しに渡す式守伊之助