1階級下のフライ級でWBA、WBO2団体を統一した3位のファン・フランシスコ・エストラーダ(27=メキシコ)が、2代前の王者で2位のカルロス・クアドラス(28=メキシコ)に3-0で判定勝ち。王者シーサケット・ソールンビサイ(30=タイ)への挑戦権を獲得した。

 現地では1度、3人のジャッジ全員が114-113の1ポイント差の判定で、クアドラス勝利と発表されたが、その後、エストラーダの勝利と覆った。1度は負けを宣告され、信じられないと言わんばかりの表情を浮かべたエストラーダは、両手を上げて勝ち誇った。

 かつてゴンサレスに敗れ、リベンジを誓うメキシコ人対決は超接戦となった。クアドラスが持ち前のスピードを生かしつつ、時にサウスポーにスイッチして前半戦は主導権を握ったが、中盤以降はエストラーダが細かく正確な強打を打ち込み対抗。10回には左フックから右ストレートをクアドラスの顔面にたたき込み、この試合唯一のダウンを奪い、逆転した。

 エストラーダは12年11月に、当時2階級下のWBAライトフライ級王者だったゴンサレス相手に世界初挑戦し12回判定負けも、ゴンサレスの強打に手数で対抗。ゴンサレスを最も苦しめた選手と言われた。WBAフライ級スーパー王者の16年9月には、WBAから正規王者の井岡一翔(28=井岡)との統一戦の指令を受けながら王座を返上。ゴンサレスへのリベンジを優先し、1階級上げた。

 一方、クアドラスは16年9月に同級王者として、1階級下のフライ級王者だったゴンサレスの挑戦を受け、接戦ながら0-3の判定で敗れ、プロ初黒星を喫した。試合後は判定に疑問を呈し、再戦を訴えた。ゴンサレスを執念で追い続ける者同士の対戦を制したエストラーダが、王座へ1歩前進した。