IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が階級を超越した「王者対決」を制した。自ら指名したIWGPジュニア王者ウィル・オスプレイ(24)とシングル激突。25分25秒、レインメーカーからのエビ固めで同じユニットCHAOSの弟分を力でねじ伏せた。

 ヘビー級王者らしい貫禄だった。オカダが、驚異的な身体能力で攻め込むオスプレイの動きを強引に封じた。ラリアット2連発。最後の力を振り絞りオスカッターを仕掛けたジュニア王者を捕まえ、そのまま墓石式脳天くい打ちでマットに突き刺し、レインメーカーでとどめを刺した。力と技の攻防を制し「明日からの47周年目も、オカダに任せなさい」と豪快に締めくくった。

 15年10月、英国遠征したオカダが英団体RPW大会でオスプレイと対戦。実に2年6カ月ぶりの直接対決だった。「こんなにいいレスラーがいるんだ」と自らユニットCHAOSに勧誘した。16年3月の旗揚げ記念日大会から新日本に参戦したオスプレイと兄弟のように活動してきた。「外国人だけど、新日本らしい気持ちのこもった戦いができる」と認める。この2年間でベスト・オブ・ザ・ジュニアで優勝し、IWGPジュニア王座奪取と成長したオスプレイに向け「かわいい弟。オカダへの愛情を感じてオレも愛で返しました」と笑みもこぼした。

 14年の旗揚げ記念日大会のオカダ・カズチカ-飯伏幸太戦以来、4年ぶりのヘビーVSジュニア王者対決を制した。先月10日、歴代2位となるIWGP王座10度目防衛を成し遂げ、棚橋弘至の持つ最多記録V11に王手をかけた。次期挑戦者は今月9日開幕のニュージャパンカップ優勝者になる。「待ちくたびれている。長い間、待っています。オレを倒す人を」。IWGPベルト以上に、オカダ自身が輝きを放った。【藤中栄二】