元WBAスパーフライ級王者天海ツナミ(33=アルファ)が、8回TKOで2階級制覇を達成した。序盤は6戦目で世界初挑戦のチャオズ箕輪(30=ワタナベ)に劣勢だったが、3回からパンチを見切って反撃を開始。フットーワークを生かしながらパンチを打ち込み、一方的な展開になった。箕輪が棄権を申し出て8回終了TKO勝ちとなった。前世界王者時代は5度目の防衛に失敗後、海外で3度挑戦したがいずれも失敗。5年8カ月ぶりでの王座に返り咲きとなった。

 初回はいいストレートをもらってのけ反った。「出だしは勢いで来ると思った。ノーモーションでもらった。軌道とかを見て、まずは見切ろうと思った」。3回にはコーナーに追い込まれたが、パンチをかわして、逆に的確にパンチを当てた。これで完全にペースをつかんだ。「倒して勝ちたい」とKO宣言していただけに、「あと3回で倒しに行こう」と思ったところで相手がギブアップした。

 全日本7連覇、世界選手権8強の実績を持つ相手だったが「場数が違う。勝てなかったが、海外のトップとやった経験が生きている」とキャリアの差を見せつけた。

 今後へ向けては「しっかり海外でも勝っていき、価値あるベルトにしていきたい。フライ級が一番合っているので」と、3階級制覇も視野に入れている。箕輪はプロ初黒星に「1回はよかったが調子に乗りすぎた」とがっくりと肩を落とした。アマの実績はあるが「試合運びとかうまかった。海外でもやっていて戦い方を知っている」と天海に脱帽だった。プロ転向時に9階級制覇を目標に掲げたが「言ったからにはやります」と強気に言った。