UFCライトヘビー級王者ダニエル・コーミエ(39)が史上2人目の2階級同時制覇王者となった。

 メインイベントで、4度目の防衛戦となったUFCヘビー級王者スティペ・ミオシッチ(35=ともに米国)に挑戦(5分5回)。1回4分33秒、KO勝利を挙げ、フェザー級とライト級王座を同時保持したコナー・マクレガー(アイルランド)に続く快挙を成し遂げた。UFCでは5人目の2階級制覇となった。

 ミオシッチの積極的な攻撃でケージ際に追い込まれたものの、コーミエは要所に冷静な打撃で応戦。1階級上の王者からの打撃を浴びても効果的な連打で返す展開に持ち込んだ。クリンチでミオシッチの動きを封じると、相手アゴ付近に右フックをクリーンヒット。背中から倒れたミオシッチに追い打ちのパウンド連打を浴びせ、レフェリーがストップとなった。

 ヘビー級最多となるV3防衛に成功していたミオシッチとの王者対決を1回で制した。ライトヘビー級とヘビー級王座を同時に手に入れたコーミエは「ずっとヘビー級で戦っていたし、自分にできることを知る前にこの階級を離れた。今は答えが分かる。俺が新王者だ」と自信満々。ミオシッチがクリンチされると手が下がって後退する傾向を見抜き、合宿時から対策を練っていたという。「ずっと練習パートナーをKOすることに集中してきたし、今日はオクタゴンでそれができた。39歳、何度も2番にはなってきたけど、今日はやりたかったことをすべてやれた」と達成感に浸った。

 すると視察に訪れていたスーツ姿の元UFCヘビー級王者で、現WWEユニバーサル王者ブロック・レスナー(40=米国)を堂々と挑発。「長い付き合いのヤツがいる。一度も彼と戦うなんて考えたこともなかった。あいつもレスラーでオールアメリカン。ブロック・レスナーよ、俺にかかってこい。あとで葬ってやるからな!」と自ら次期挑戦者を指名していた。