世界最速タイ3階級覇者の王者田中恒成(23=畑中)が、フライ級で初防衛に成功した。元WBA&IBFライトフライ級統一王者の挑戦者田口良一(32=ワタナベ)を3-0の判定で退けた。

互いに譲らぬ激しい打ち合いとなった。田中は10回に田口をコーナーに追い詰めたが、田口も粘った。結局、互いに決定打はなく12回を戦い抜き、判定で勝利した。ジャッジの採点は1人が119-109、残る2人が117-111だった。

約2年前からラブコールを送り、実現にこぎつけた“運命の1戦”を、前王者木村翔との激戦に続いてクリアした。

2人には因縁があった。田中が17年5月、WBOライトフライ級王者で2度目の防衛を果たしたアコスタ戦後、ゲスト解説で来場していたWBA同級王者田口にリング上で対戦要求。同年大みそかの統一戦に動きだした。ところが、田中が同年9月のパランポン戦で両目眼窩(がんか)底骨折を負って、対戦プランは消滅。田中は単身上京し、田口に謝罪した。

その後、田口がIBFとの統一王者となり、昨年5月のブドラー戦で陥落。一方、田中陣営は同年9月にWBOフライ級で木村翔から王座奪取後、田口陣営にオファー。階級アップも検討していた田口が承諾、対戦が実現した。

強者との戦いだけを望んだ田中。夢の世界5階級制覇を目指すドリームボーイが、着実に階段を上がっていく。

 

◆田中-田口戦実現まで 田中が17年5月、WBOライトフライ級王者で2度目の防衛を果たしたアコスタ戦後、来場していたWBA同級王者田口にリング上で対戦要求。同年大みそかの統一戦に動きだした。だが、田中が同年9月のパランポン戦で両目眼窩(がんか)底骨折。計画は消滅し、田中は田口に直接謝罪した。その後、田口がIBFとの統一王者となるも昨年5月に陥落。田中陣営は同年9月にWBOフライ級で木村翔から王座奪取後、田口側にオファー。階級アップも検討していた田口が承諾、対戦が実現した。