日本プロボクシング協会(JPBA=ジム会長らで組織)が、他格闘技に門戸開放を検討する全国集会を開催することが分かった。

統括団体の日本ボクシングコミッション(JBC)協力のもと、22日に都内で「他競技・類似イベントに関する全国集会」を開き、キックボクシングや総合格闘技の選手、ジム、団体などとの交流について積極的に意見交換。門戸開放に向けた方向性を見いだしていくという。全国のジム会長やマネジャーら60人近くが出席する予定だ。

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JPBA関係者が「大きな転換点になる」と位置付ける会議がセッティングされた。議題は多岐にわたるものの、3点の主要テーマがある。(1)他格闘技選手のボクシング公式試合出場。まずヘビー級と女子に特化し、相互交流を認められないか(2)既に世界主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)が認定するムエタイとの交流(3)他格闘技を受け入れる際のルールの再確認や注意点の徹底、となる見通しだ。

今年6月、JPBAとJBCは「非ボクシング」には協力しない宣言を連盟で発表していた。「ボクシング」の名のもとで商業性のみを追求するイベント、企画などへの関与、協力をしないなどとした一方で「競技スポーツとしてのボクシングに参加することについては、門戸を開放し、これを歓迎する」と記した。他格闘技との交流を断絶するのではなく、門戸を開放するというスタンスに変わりはない。

JBC安河内剛事務局長は「世界的に見ても米国、オーストラリア、タイで当たり前のように他格闘技との交流がある。これまで門戸開放してこなかったのは日本ぐらい。時代の変化もあり、日本だけガラパゴス化している。他格闘技とWIN・WINの関係になれれば。交流が開始できるかできないかの重要な集会になります」と説明した。

既にJPBA、JBCのもとに「WBCやIBFなどの名前を冠したムエタイ試合が日本で行われ、ボクシング審判員がムエタイの審判を務めています。何とかなりませんか?」「協会加盟ジムで他格闘技選手が練習することは多々あると思いますが、他競技や類似イベントの公開練習や収録にジムを使用させてはいけない理由は何ですか?」など細部にわたる質問が届いているという。JPBA関係者は「過去の例に従い、規制や処分をしてきたケースもある。この集会を通じて意見交換でいる意味は大きいでしょう」と説明した。

世界の潮流と合わせ、日本ボクシング界が他格闘技との交流にかじを切っていけるのかどうか-。22日の全国集会で繰り広げられる話し合いに注目が集まりそうだ。