女子プロレス団体スターダムの創設9周年記念日大会が行われ、11年1月の旗揚げ以来後楽園ホールでは史上最多となる1602人(超満員札止め)の観衆を集めた。

メインのワールド・オブ・スターダム選手権では王者岩谷麻優(26)が渡辺桃(19)を下し、2度目の防衛を果たした。赤いベルトに合わせ、この日はコスチュームを青から赤に新調して登場。渡辺の腕攻めや、2度のドラゴン・スープレックスを切り抜け、最後はムーンサルト・プレス、墓石式脳天くい打ち、ドラゴン・スープレックス・ホールドと技をたたみかけ、勝利を引き寄せた。

この日はスターダム史上初めて後楽園ホールで立ち見席が販売され、2階のバルコニー席にも観客が入った。団体生え抜きの岩谷は、リング上から超満員の光景を見渡し、「この景色、一生忘れません」と感慨に浸った。試合後にはディアナのエースで海外進出が決まっているSareeeから挑戦希望のビデオメッセージが届き、岩谷はその場で快諾。バックステージでは、そのSareeeを倒し、これまでの代名詞“スターダムのアイコン”から“女子プロレスのアイコンになる”と宣言した。

「大きいことを言うのは大事。女子プロレスのアイコン、と言い続けていれば、その時がくる。真の女子プロレスのアイコンとなるための準備期間。きょうはその1歩を踏み出せた」。これまでの後楽園大会の最多観衆は、18年6月17日、現在WWEで活躍する紫雷イオ引退興行の1517人。それを超えたこの日、岩谷が新たな伝説の始まりを予告した。