リングネームの由来となるラーメン店の代表格「ラーメン二郎」をこよなく愛するライト級ボクサーのジロリアン陸(32=フラッシュ赤羽)が39秒殺で2戦連続のKO勝利を収めた。60キロ契約体重8回戦で太田卓矢(29=とよはし)と拳を交えると、いきなり「3~4日前から『これは使えるかもしれない』と練っていたパンチ」という1度上体をを沈ませてからの左フック一閃(いっせん)。アゴへのクリーンヒットを浴び、崩れ落ちるように倒れこんだ太田を確認したレフェリーのストップで1回39秒、TKO勝利となった。

今年9月の竹中関汰戦とのライト級8回戦でも右ストレート一発で1回2分34秒、TKO勝ちを収めている。2試合連続KO勝ちを飾ったジロリアンは「前回のパンチはたまたま。今回は使えると思ったパンチ。デビューした時から右拳ではなく、左拳に自信があった。左で倒せたのはうれしいです」と振り返った。

今回、ラーメン二郎の創業者ら直々に贈呈された特製ガウンを着用して入場。60キロ契約のため、今回は約73キロから13キロという減量が非常に苦しく「本当に体重が落ちるのかと不安で。3日前で、あと7キロの減量があり、最悪の事態も想定するほどだった。ガウンを贈呈され、これで落とせなかったら…と精神的にきつかった」とも明かした。

マジシャンとしての顔も持つジロリアンは今年、テレビ朝日系列のバラエティー番組「激レアさんを連れてきた」に登場。「プロボクサーなのに大好きなラーメン二郎がどうしても我慢できず、年間300杯近く食べてしまうので減量がいつも地獄になっている人」として紹介された。前日計量後、荒川区にあるラーメン二郎・千住大橋駅前店のテークアウトで空腹を満たしたという。「ほぼ毎日、ラーメン二郎を食べている。他のラーメン店にもいくが、基本は二郎。減量は本当に嫌なのに…でも忘れちゃうんですよね」と苦笑した。目標は日本王座獲得…ではなく、上位ランカー入り。現在、日本ライト級18位となるジロリアンは「せめて王座挑戦できるぐらいの上位に入りたい。ただ今の段階では、自分の実力はわかっているので、チャンピオンは目指していない。びびりで緊張して足がガクガクしちゃう。殴られるのが嫌で、本当に嫌なんです」とぽつり。まだまだマジシャンでラーメン好きなボクサーとしての活動を続けていく方針だ。