9勝(1KO)10敗2分けの戦績で迎えた広島出身の三宅寛典(32=ビッグアーム)が、元2階級世界王者の亀田和毅(29=3150)相手に健闘した。

0-3(73-78、73-78、73-79)の判定負けとなったが、5回には相手の左ジャブに右を合わせてダウンを奪った。打ち込んだ感覚は「なかったです」と正直に振り返ったが「自分にとってはいい収穫でした」と充実感をにじませた。

試合前時点で相手は36勝(20KO)3敗の元世界王者。キャリアの差は歴然で、この日も亀田はほとんど右を使わず、左のパンチで組み立ててきた。三宅は「『わざとなのかな?』とは思いました。メッセージ性は感じていました」といい「ボディーが効きました。あとはスピード。その2つは僕の想像以上で『これが世界チャンピオンか』と感じました」と苦笑いした。

新型コロナウイルスの感染拡大で興行が減る中、三宅は亀田との対戦を歓迎し、前向きに捉えたという。

「コロナだからこそ、大きな壁の選手と試合ができる。チャレンジすることが大事。負けることにビビって、格闘技をするぐらいなら、やらなくていいと思っている。自分が成長するためにやっています」

関係者の尽力により、無観客で行われた一戦。当初は20~30人の友人が観戦予定だったというが「ワクワクが強かった。やっていて、楽しい時間でした」と感謝の思いを示した。【松本航】