ボクシングWBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(33=英国)が「地獄の墓掘人」スタイルで登場し、過去最重量ウエートで計量クリアした。9日(日本時間10日)、米ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナで前王者となる同級1位デオンテイ・ワイルダー(35=米国)との3度目対決を控え、8日(同9日)には同地で前日計量に出席。238ポンド(約107・95キロ)でパスしたワイルダーに対し、277ポンド(約125・64キロ)でクリア。両者ともに過去もっとも重いウエートで計量を終えた。

自ら参戦経験もある米プロレスWWEのスター選手となる「地獄の墓掘人」ジ・アンダーテイカーのハットを着用して計量会場に登場したフューリーはアンダーテイカーの決めぜりふ「レスト・イン・ピース(安らかに眠れ)」とワイルダーに向けてつぶやいた。

20年2月に7回TKO勝利したワイルダーとの2度目対決時の273ポンド(約123・83キロ)よりも4ポンド(約1・81キロ)重いフューリーは「今、渇望している。このウエートは彼を病院送りにするため、完全に抹消、壊滅するための277ポンドだ」とキッパリ。ワイルダーを地獄の底に落とす覚悟を示した。

2日前の記者会見同様、両者の間にはピリピリムードが漂い、恒例のフェースオフ(にらみ合い)も設定されなかった。ステージでは体重計を挟んで口論を続け、最後まで敬意を表することはなかった。