総合格闘技RIZINの榊原信行CEOが30日、人生で初めて土下座して謝罪した。

25日開催の格闘技イベント「超RIZIN」のメイウェザー-朝倉未来のエキシビション戦前に起こった「ごぼうの党」奥野卓志代表による花束投げ捨て行為について、記者会見を開いて改めて謝った。

会見の最後には「世界中の人たちに本当に申し訳ないという思いをしっかり伝えたい」とし、「最大級のおわび」として「人生で生まれてこの方1度もない」という土下座で謝罪。約15秒間頭を下げた。会見をライブ配信したRIZINのユーチューブチャンネルでは、この間音声はミュートとなった。

同大会は、世界50カ国以上に配信された。同CEOは冒頭で「こんな悲しいことはない。15年から人生をかけて一歩ずつ一歩ずつ紡いで来たものを、あの品性下劣で心無い行動、テロ行為によって侵され、けがされてしまったこと。あのシーンを見るごとに吐き気がするし、本当に悔しくてなりません」と、無念の思いを吐露。「未然に防げなかったのかと何度も自戒しています。おわびしてもおわびしきれない。見せてはいけないものを見せた。金はらってこんなに嫌な思いをさせられて…本当に申し訳ないという気持ちで今もいっぱいです」と、神妙な面持ちで話した。

奥野氏が花束贈呈に至った経緯についても説明した。株式会社エムアップホールディングスの子会社であるファンプラスからデジタル化で発売したいというオファーを受け、プレミアムNFTデジタルチケットをオークション入札方式で販売。花束贈呈はその特典として付与され、最高額の420万円で落札した奥野氏がメイウェザーへ贈呈する運びとなった。「リングに上がる上で、バックグラウンドチェックを含めエムアップさんでしていただいていた」とした。

だが「今思えば、きちんと誓約書をいただくとか、フラワートスの仕方を伝えるとか…。間違ってもああいう行為に及ばないという確認をできていなかった」と悔やんだ。

海外からも、メイウェザー側へ「なぜ抗議をしないんだ」という文書も届いていると報告。帰国前のメイウェザーに改めて謝罪する機会があったといい「(メイウェザーは)当然僕たちと信頼関係を続けていきたいと思っているが、彼の中では消化ができていなくて、本当につらそうな感じでした。それでも『心配するな』と言って立ち去ったんですけど、心中察すると、いろんな思いがあったんだろうなと思います」と、わだかまりを残したことを明かした。

そして「何があってもどんなことがあっても起こさない。誓約書を設けて、改善をしっかりして10月大会に向けて準備を進めたい」と、再発防止に努めることを誓い、土下座した。