闘魂Hカップグラドルが強くなって帰ってきた。

11月の大会で顎と口腔(こうくう)部を負傷していた白川未奈が約2カ月ぶりにリングに復帰。こちらもスターダム久々登場のウナギ・サヤカと組んでタッグマッチで勝利した。

待ちに待った“ちゃんみな”の登場に、会場からは大きな拍手が沸き起こった。6日のカード発表会見では、顔を包帯でグルグル巻きにして登場しており、ファンも待ち望んだ笑顔だった。休養中にキックボクシングで体を絞り、パンチや蹴りを強化。これまでのセクシーポーズに加え、シャドーボクシングをしながらリングに上がった。

かわいさに力強さとスピード、テクニックが加わり、すべてがパワーアップしていた。負傷した顎を狙ってくる相手にも動じず、中盤以降は顔をしかめながらも「相手の動きもよく見えるようになった」と素早く攻撃をかわし、流れを引き寄せた。最後は粘るテクラを押さえ込んで3カウント。久しぶりのリングに充実した表情を見せた。

「みんな~、ただいま~。やっと生きている心地する」。試合後に素直な気持ちを語ると、自然と涙がこぼれた。ケガの直後は流動食しか口にできなかった。「何もしなかったら後退するだけ。ただの復帰戦だったらファンは満足しない。体を使わず、頭を使った」。出した結論は、なんとウナギとの関係を断ち、英国から仲間を連れて来ての新ユニット「クラブヴィーナス」結成だった。「自分の努力を拡大するために、3人で(来月からの)トライアングルダービーに出場し、トップに上り詰める」と決意を語った。

「心が広くなった気がする。余裕を持たないと夢に向かって進めない」。長い充電期間を経て、さらに美しく、たくましくなった白川未奈が23年は好スタートでスターダムを引っ張る。【松熊洋介】