ボクシングのIBF世界バンタム級1位で5月4日に世界初挑戦する西田凌佑(27=六島)が9日、大阪市内の所属ジムで取材に応じ、戴冠に自信を示した。

同級王者エマヌエル・ロドリゲス(31=プエルトリコ)にエディオンアリーナ大阪で挑む。王者は19年5月に井上尚弥(大橋)と対戦。2回TKO負けした試合を西田は猛研究した。「倒すところは違うけど、井上尚弥選手のボクシングが理想。芯がぶれない、かわすところを見ている」と明かした。

「右ストレート、左フックが強い。正直、穴はないと思っている」と西田は王者の強さを認めるからこそ猛練習を積んでいる。2階級上のフェザー級で全日本王者の大学選手やフィリピンのランカーを呼んでのスパーリングは合計で200ラウンドを予定。どんな試合展開にも対応できる「引き出し」を増やしてきた。

3150FIGHTを手がける亀田興毅ファウンダー(37)が「浪速のメイウェザー」と名付けた。その特徴はとにかく触らせない。「打たれるのは痛いんでイヤです」と独特のスタイルを確立してきた。指導する武市トレーナーは「パンチもスピードもない。ただ下半身は強い。ぶれがない」と強みを表現した。

中学時代は長距離が専門の陸上選手。3000メートル9分40秒台の脚力が12ラウンド、相手の攻撃をかわし続ける足腰につながっている。その特徴をさらに強化してきた。その上で「逃げていては勝ち目ない。秘策はあります」と具体的には伏せたが、武市トレーナーと積み上げてきた“特別”な存在を明かした。

沙捺夫人(27)が3月27日に第1子の女子を出産した。「めちゃくちゃかわいいです。より負けられない思いになりますね」。打たせずに打ち勝つ。「奈良のアンタッチャブル」が人生の大一番へ、順調に整えている。【実藤健一】