元K-1スーパーバンタム級王者でプロボクシングWBO世界バンタム級5位の武居由樹(27=大橋)が「秘策」を胸に世界初挑戦に臨む。5月6日、東京ドームで同級王者ジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)に挑戦する。15日には横浜市の大橋ジムで公開練習に臨み、シャドーボクシング、サンドバッグ打ちに取り組んだ。試合に向けて残り約3週間となり「モロニーは強い王者。気を抜いてリングに上がったら絶対に倒される。その部分で危機感を持っている。他の雑念を削って試合に集中したい。バチッと倒して世界王者になりたいと思う」と決意を示した。

K-1時代、代々木第2体育館や両国国技館の会場でメインイベンターを務め、さいたまスーパーアリーナのセミファイナルなど大舞台で戦い、勝ってきた実績を持つ。「本番の強さ」はボクシング転向後も継続しており、大舞台での王座獲得へ、心身ともに高揚している。武居は「自分でも出たことのない技が出たり、スパーリング中に自分で驚いたりしている。そこが成長しているところだが、本番で出ないと意味がない。そこがまた楽しみ。出たことのない技? 秘密兵器です。出ずに終わらないようにしたい」と自信の笑みを浮かべた。

所属ジムの大橋秀行会長(59)も「東京ドームで世界初挑戦は想像を絶する緊張感、プレッシャーがあると思う。普通のボクサーなら萎縮するが、武居の場合はプラスになる。プラスアルファの爆発力が出ると思う。デビュー戦から見てきて、そうなるのではないかと楽しみ」と大きな期待を寄せた。

K-1王者初のボクシング世界王者を狙う立場となる。武居は「やはりここで絶対に取りたい気持ちが強くなっている。応援してくれるファンの声もたくさん届いている。それを力にしていきたい。ここまできたらコンディション。どこまで良い状態にもっていけるか。あとはメンタル」と世界王座奪取&モロニー撃破へのキーポイントを挙げていた。【藤中栄二】