日本男子初の世界ユース選手権優勝などアマ13冠でWBC世界フェザー級8位の堤駿斗(24=志成)が世界ランカー対決の前日計量で体重超過した。

17日、東京・後楽園ホールでWBA世界同級9位の元WBA世界バンタム級スーパー王者アンセルモ・モレノ(38=パナマ)とのフェザー級10回戦を控え、16日に東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量。リミット(57・1キロ)よりも少ない56・8キロでパスしたモレノに対し、堤は1・6キロオーバーの58・7キロで1回目の計量をクリアできなかった。2時間の猶予が与えられ、再計量に向けて再び減量に入った後、モレノは報道陣の取材に応じた。

計量を終えたモレノは「大変、失望している。彼のホームで体重を守ることができないなんて失望だ」と落胆した。15年9月、16年9月とWBC世界バンタム級王者山中慎介と2度対戦しており、今回は3度目の来日。「過去2度、日本で試合したが、計量オーバーは初めての体験だ。他国での試合でも経験がないのでとても驚いている」と困惑した表情も浮かべた。

2時間の猶予が与えられた堤が再計量のために体重を落としている現状を受け、モレノは「今は何とも言えない。彼の体重がわかったら、私のマネジャーである妻と相談して決めたい」と話しながらも、堤との対決には前向き。「私はオープンだ。(契約体重での試合は)なくはない。会場も素晴らしいし、素晴らしい試合、素晴らしいモレノをみせたい」との心境も明かした。

堤との世界ランカー対決が決まり、今年1月から母国パナマで調整してきたという。モレノは「タイトル戦ぐらいの気持ちで来た。勝った方がタイトル挑戦できるチャンスを手にできると思う。彼は素晴らしい未来のあるボクサーだが、自分としてはそういうつもりだ」と堤戦に臨む前提で口にしていた。

モレノは通算戦績43勝(15KO)6敗1分けと計50戦を経験し、WBA世界バンタム級王者時代に12回防衛に成功し、同級スーパー王者としても活躍した。対する堤は昨年大みそかにルイス・モンシオン・ベンチャーラ(ドミニカ共和国)との世界ランカー対決を3回TKOで勝利して以来、約4カ月ぶりのリング。前回はプロ初のKO勝利を収め、今回は元世界王者モレノとの対決に向け、米ラスベガスでスパーリング合宿を消化しながら調整していた。【藤中栄二】