ボクシングWBA世界バンタム級4位増田陸(28=帝拳)が「武士道対決」を制し、世界挑戦権をゲットする。
15日、横浜BUNTAIで同級1位ノニト・ドネア(43=フィリピン)との同級挑戦者決定戦を控え、3日に都内の所属ジムで練習を公開。刀の切り合いのような緊張感あふれる展開でサムライ精神を好む元5階級制覇王者を撃破する意気込みだ。また4月11日、東京・両国国技館で同じくWBC同級挑戦者決定戦を控える那須川天心(27=帝拳)との“共闘”モードも明かした。
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試合前まであと2週間を切り、増田の顔はさらに引き締まった。指導を受ける大和心トレーナー(50)とのミット打ちなどを軽快にこなし「緊張感がある。それがないとダメ。良いパフォーマンスを出してくれるし、プラスに働いてくれる」と言葉に力を込めた。
ドネアの代名詞は左フック、一方の増田は同門の先輩、元WBC世界同級王者山中慎介と同じキレ味鋭い左ストレートが武器だ。愛称も山中の愛称を引き継ぎ「神の左」の継承者と呼ばれる。ゴングと同時にピリピリムードが漂う挑戦者決定戦になりそうだ。増田は「1回、1分、1秒、目が離せない展開と勝負になる」と強く警戒した。
増田は「日本の物づくりの原点。緻密な丁寧さに感じるものがある」と室町時代に製作された日本刀を所持する。ドネアも武士道を好むことを熟知している。「リングに上がれば1対1。1人の人間としてリスペクトがあるが、勝負なので真剣に向き合う。真剣の切り合いになると思う」。新Tシャツには江戸文字デザインで「拳闘士」とプリント。武士道対決の準備は万全だ。
同門の那須川とは1カ月違いで挑戦者決定戦を控える。コンディショニングトレーニングで顔を合わせる際には「お互いにしっかり勝とう」とハッパをかけ合ったという。増田は「さらに研ぎ澄ませて最高の状態でリングに上がろうと思う。1回から積極的に仕掛け、すべてのラウンドを支配するような展開に持っていきたい」と精神統一していた。【藤中栄二】
◆増田陸(ますだ・りく)1997年(平9)9月23日、広島市生まれ。中学時代に競技を始め、広陵高-立大ボクシング部へ。アマ戦績は52勝14敗。22年7月、1回KO勝ちでプロデビュー。24年2月にジョナス・スルタン(フィリピン)を1回KO勝ちし世界ランキング入り。同年7月、富施郁哉(ワタナベ)を4回KO撃破し、日本バンタム級王座を獲得。2度防衛後に返上。趣味は読書。身長168センチの左ボクサーファイター。血液型はO。
○…オラスクアガは王者の風格を漂わせた。元東洋太平洋同級王者飯村との5度目防衛戦に勝てば、WBOから念願の「チャンピオンリング」が贈呈される大事な舞台。将来的な他団体王者との統一戦や複数階級制覇にも強い意欲をみせつつ「飯村選手はとても良いボクサーだが、自分がしっかりと彼の動きを止める。息をつかせる暇もないほど攻めていきたい。自分はミスを犯すような余地もない。偉大な選手になるためにベルトを保持して戦い続ける」と自信たっぷりだった。

