発展途上国で病気に苦しむ子どもたちを救うため、プロレスラーたちが再び集結する。収益金でポリオワクチンを寄付する「ワクチンファイト」の事務局が26日、福岡大会(10月16日午後6時半、福岡市・アクロス福岡)の対戦カードを発表した。平日は歯科医、休日はプロレスラーとして活動する“闘う歯科医”甲斐拓也(47)の呼び掛けに、高山善広、鈴木みのる、藤原喜明、ウルティモ・ドラゴン、ザ・グレート・サスケ、CIMAらビッグネームが参戦を決めた。

 ワクチンファイトは12年9月の新宿FACE大会以来、約2年1カ月ぶりの開催。甲斐は高山、藤原とのタッグで、佐藤光留、ブラックタイガー、那須晃太郎組戦でメーンを務めることが決まった。「高山さんはチャリティーに共感してくれて、ずっと応援してくれている。前回も出場選手を集めるために声をかけてくれた。今年1月に自分が顔面神経まひになったときも、駆けつけてくれ、公私にわたって支えてもらっている」と感謝する。また、NOSAWA論外は東京愚連隊興行で毎大会チャリティー試合を組んでくれた。格闘家の宮田和幸には試合直前に指導を受け、宮田のジムの主催大会のチャリティー試合では覆面レスラーとしてタッグを組んでもらった。「みなさんのおかげで、ここまで来ることができました」。

 福岡は甲斐が大学時代から7年間を過ごした第2の故郷。「いつか何かやりたいと思っていた。熱い人も多いですし」。甲斐の熱意が伝わり、地元の九州プロレスからリングの提供を受け、選手、レフェリーらも参戦する。チャリティーの輪が広がっている。

 活動を始めた2010年から甲斐が「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」を通じて寄付したワクチンは、院長を務める千葉・野田市のいちょう通り歯科でインプラント手術を1回行うごとに100本ずつ寄付している分を含め、2万5000本。「まだ100万人を救うという目標の2.5%。正直に言うと前回の大会の収益は5万円。苦労してその額なら、ポケットマネーで寄付すればいいじゃないかとも言われる。でも、試合を見てチャリティーを知って、新たに寄付を始めてくれた人もいる。そこに意味があると思う」。現在は平日の歯科医の仕事後にトレーニングを行い、休日は福岡に飛んで告知活動と寝る間もなくフル回転。“闘う歯科医”の奮闘は続く。

 当日のカードは次の通り。◇60分1本高山善廣(高山堂)、藤原喜明、甲斐拓也(BRAVE)

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 ブラックタイガー、佐藤光留(パンクラスMISSION)、那須晃太郎(U-file

 camp)◇45分1本ウルティモドラゴン、グレートサスケ(みちのくプロレス)、ケンドー

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 NOSAWA論外(東京愚連隊)、MAZADA(東京愚連隊)、菊タロー(アキバプロレス)◇30分1本鈴木みのる(パンクラスMISSION)

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 伊藤崇文(パンクラスism)◇30分1本勝負CIMA(ドラゴンゲート)

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 めんたい☆キッド(九州プロレス)◇20分1本(九州プロレス提供試合)玄海、桜島なおき

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 田中純二、ウォーターマン日田丸◇20分1本(九州プロレス提供試合)阿蘇山

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 ばってん×ぶらぶら◇3分3R(障害者プロレス提供試合)ナガノ・V・アキラ(FORCE)

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 サンボ慎太郎(ドッグレッグス)※チケットは、全国のローソンで発売中。