虚血性心不全のため、8日に死去した日本相撲協会の世話人、友鵬勝尊(ゆうほう・まさたか、本名・長崎勝)さんの告別式が12日午後0時半から、所属していた東京・江東区清澄の大嶽部屋で営まれた。

 師匠の大嶽親方(56=元十両大竜)が葬儀委員長を務める告別式では、同親方はじめ一門の貴乃花親方(45=元横綱)や一門の枠を超えて八角理事長(54=元横綱北勝海)も、稽古場に設けられた式場で弔問客を迎え入れ、故人の人柄をしのばせた。

 大相撲秋場所の3日目が行われているため現役の親方衆や力士らは、前日の通夜で最後のお別れをした。元力士ではこの日、元横綱3代目若乃花の花田虎上氏や、元関脇高見山の渡辺大五郎氏らが弔問に訪れた。

 告別式を終え出棺後、葬儀委員長として大嶽親方があいさつ。入門時に、ちょうど1年先輩の兄弟子だった友鵬さんを慕う気持ちから声を詰まらせながら読んだ。「天国で(13年1月に死去した)大鵬さんと酒でも飲んでるのか。“まさる、まだ早いぞ”と叱ってるかもしれない。でも大鵬さんと会ってるなら、それでもいい。でも残されたボクは、きつかったこと、つらかったこと、誰と話せばいいの? バカ! 友鵬! 大鵬さんと会ってんのかよ!」。おえつと絶叫が入り交じったあいさつに、すすり泣きがもれた。「友鵬さんは人を愛していた。だから人から愛され、こんなに多くの人が来てくれた。これから大鵬道場大嶽部屋を私は守っていく」と、あいさつの言葉を締めくくった。