ロシア出身で夏場所前に引退を表明した元幕内力士・阿夢露(34=阿武松)の断髪式が16日、部屋近くにある千葉・幕張本郷のホテルで行われた。

 細身の体ながら度重なるケガを克服し、最高位は東前頭5枚目まで出世。その門出を祝おうと、断髪式には同門の大嶽親方、千賀ノ浦親方、親交の深い錣山親方はじめ角界関係者のほか、落語家の桂米助、桂文福ら約150人が出席した。

 最後に師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)が止めばさみを入れ、16年の力士生活に別れを告げた。断髪式中はこらえていた涙も、式後の甚句披露で「我慢できなかった」と、ほおを伝わった。式後のパーティーには新大関栃ノ心(30=春日野)も駆けつけた。今後はスポーツトレーナーの資格取得を目標に、既に4月から千葉・船橋の日本語学校に通学している。「さびしいけど、これからも頑張ります」と話した。